- 本 ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575671742
作品紹介・あらすじ
貸本屋の与之吉が貸し出した本に記されていた『たすけて』の文字。与之吉から話を聞いたお勝と女房のお志麻が貸出先を調べるよう勧めたところ、相手は大勢の奉公人を抱える日本橋の両替商だとわかった。だが書いた者が名乗り出ることはなく困惑するお勝たちだが、数日後、若い娘が『ごんげん長屋』を訪ねてきて――。くすりと笑えてほろりと泣ける、これぞ人情物の決定版。時代劇の超大物脚本家が贈る、大人気シリーズ第七弾!
感想・レビュー・書評
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女手ひとつで三人の子供を育てるお勝の奮闘物語です。
時は、文政二年(1819年)。
江戸は根津権現社の南側にある質舗「岩木屋」の番頭であるお勝39才は、根津権現社の近くの「ごんげん長屋」に住まいして、孤児であったお琴13才、幸助11才、お妙8才の3人の子供たちを引き取り、女手ひとつで育てています。
【恋娘】
お勝が番頭を勤める質舗「岩木屋」の主の吉之助の娘、お美津15才が、悪い男を好きになり、それを諫めた出入の緡(さし)職人の安造を出入り禁止と言い出した。銭緡とは、一文銭を五十なり百なり、まとまった数にするために、穴あき銭の穴に通して結ぶ紐の呼び名です。その紐を造って売る職人を緡職人といいます。お美津が好きになったのは、湯島天神下の小間物屋「美鈴屋」の跡継の喜八郎19才で、女出入りが多く、悪い噂が絶えない人です。
【男の身上】
ごんげん長屋は、料理屋「喜多村」の隠居で地主兼家主の惣右衛門が建てた平屋の家屋です。その大家を喜多村で番頭をしていた伝兵衛55才が勤めています。本当に穏やかで真面目て仏さんのような人です。伝兵衛は、一度所帯を持ったが一年で、真面目過ぎて面白みがないと言って出て行かれました。その伝兵衛に、長屋のみんなが三人の嫁を紹介しましたが。面白みがないと言って、見合いの翌日にすべて断られました。
【鬼の棲み家】
お勝は、神田松下町の道具屋「野島屋」の宗次が、十五両で質入れした蒔絵箱の期限が近づいたので野島屋に知らせに行くと。主人の宗次は居ず。家付きの母親と娘が横柄に対応した。野島屋では、婿がいつかず宗次で三人目だという。宗次は、店の商品を次々と各地の質屋に入れた金で、妓楼の遊女に貢いだ。が、その遊女に裏切られ廓主を刺して暴れた。その話を聞いた野島屋の母親は、「婿は、商売道具と一緒でいくらでも替えが利く」と豪語する。
【ゆめのはなし】
貸本屋を生業にしている与之吉の貸本に「たすけて」と書き込みがあった。与之吉が調べると、日本橋室町の両替屋「天王寺屋」の女中のおりょうが書き込んだことがわかる。おりょうは、天王寺屋に新しく入った女中のお蝶が、二年前に盗賊に入られて廃業した尾張町の茶問屋「宝珠堂」で女中をしていた。が、盗賊が入ったあと姿を消したお吉だと言う。その話を聞いた目明かしの作造は、捕り方を集めて天王寺屋を見張ると・・・。
【読後】
字も大きくて、読みやすく、好きな本です。
おりょうのよさが出ている「ゆめのはなし」が、よかったです。
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ごんげん長屋つれづれ帖シリーズ一覧
08.初春の客
07.ゆめのはなし 2024.07.20読了
06.菩薩の顔 2024.01.14読了
05.池畔の子 2023.03.08読了
04.迎え提灯 2022.05.16読了
03.望郷の譜 2021.10.23読了
02.ゆく年に 2021.08.03読了
01.かみなりお勝 2021.04.29読了
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「図書館」
ゆめのはなし
ー ごんげん長屋つれづれ帖シリーズ7作目《文庫本》
2023.09発行。字の大きさは…中。
2024.07.18~20読了。★★★☆☆
図書館から借りてくる2023.06.19詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内容(ブックデータベースより)
貸本屋の与之吉が貸し出した本に記されていた『たすけて』の文字。与之吉から話を聞いたお勝と女房のお志麻が貸出先を調べるよう勧めたところ、相手は大勢の奉公人を抱える日本橋の両替商だとわかった。
だが書いた者が名乗り出ることはなく困惑するお勝たちだが、数日後、若い娘が『ごんげん長屋』を訪ねてきて――。
くすりと笑えてほろりと泣ける、これぞ人情物の決定版。時代劇の超大物脚本家が贈る、大人気シリーズ第七弾!
令和6年11月12日~14日 -
ごんげん長屋と、おけら長屋の住民が一緒に花見に繰り出したら、面白いことになりそう!
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ごんげん長屋は出世長屋になるのか?
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202309/面白かったけど、貸本にたすけての文字…の話は強引にミステリー仕立にしてる印象でちょっと残念。
著者プロフィール
金子成人の作品





