- Amazon.co.jp ・本 (94ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575725810
感想・レビュー・書評
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積むよね~、 この人。
私が普段「世の中、お金じゃないよ」と、良く言うのは無論、
お金が無い、為である。
もし、お金をたくさん持っているとしたら…
いや、
空しすぎるので、そういう想像だけはしたくない。
大金を前にして、
自分の心がグラッと揺れる様子なんて、見たくもないし。
そういう意味では
お金なんて、生活できるだけあればいいんだ、と
心も(ざわざわ)騒がぬ言葉を発しているのが、丁度良い。
と、納得しているつもり、なのだが・・・。
この著者、金の力に翻弄される人の心のゆっさゆさと揺さぶる。
「金」
を、イタズラに弄んでいない所がまた、腹立たしい。
うず高く詰まれた札の束を前にして、
ぶるぶる震えてしまうなら、
その金額にお前の命は値しない。
見合うだけ、真剣に生きてみろよ、
命ってのは重いもんだぜ。
そんな
そんな
メッセージが、ひしひし伝わってくる・・・。
(中味はただの博打マンガなのですが。^^;)
追い詰められて、逃げ場無き人生…の、疑似体験を是非どうぞ♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
画商・中条とのセザンヌ真贋対決!暗さに加えて、絵の一つを布で隠し、セザンヌまでの距離を札束で買わせる。1メートルで一億円。札束でできた架け橋の上で、今にも吹き消えそうに揺れる人の心。このシチュエーションがまさに人の本性を抉り出していて素晴らしかった。ここで見極められているのは絵ではなく人の価値。それまで何をもって生きてきたかという人生の意味。
「他人を信じられない人間はとどのつまり自分も信じられない 信じることが出来ない…!」
猜疑心の終着駅。この言葉が胸に突き刺さってくる。
続いてはイカサマポーカーで金を巻き上げる大企業の御曹司たちとの対決。イカサマを見抜き、それを逆手に取る心理戦の面白さは抜群。そこに飛び交う札束の嵐。積み上げた札束の数だけ、命を削っていくようにヒリヒリしていく描写が上手い。銀行から資金調達してくる御曹司たちに対し、森田は失ったら命がない地獄の金で勝負へと挑んでいた。覚悟の違い。
「あまりに奴らこれまでの人生で…負けてこなかった…」
勝負前のこの森田の言葉が彼らの敗因だったのかもしれないね。森田が最後の勝負で仕掛けたポーカーのからくりはいったい何だったのか。次回が気になる。 -
セザンヌまでの橋・・・1cm¥1000000