銀と金 3 (双葉文庫 ふ 15-3 名作シリーズ)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (94ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575725810

感想・レビュー・書評

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  • 積むよね~、 この人。

    私が普段「世の中、お金じゃないよ」と、良く言うのは無論、
    お金が無い、為である。

    もし、お金をたくさん持っているとしたら…
    いや、
    空しすぎるので、そういう想像だけはしたくない。

    大金を前にして、
    自分の心がグラッと揺れる様子なんて、見たくもないし。

    そういう意味では
    お金なんて、生活できるだけあればいいんだ、と
    心も(ざわざわ)騒がぬ言葉を発しているのが、丁度良い。
    と、納得しているつもり、なのだが・・・。

    この著者、金の力に翻弄される人の心のゆっさゆさと揺さぶる。
    「金」
    を、イタズラに弄んでいない所がまた、腹立たしい。

    うず高く詰まれた札の束を前にして、
    ぶるぶる震えてしまうなら、
    その金額にお前の命は値しない。

    見合うだけ、真剣に生きてみろよ、

    命ってのは重いもんだぜ。

    そんな
    そんな
    メッセージが、ひしひし伝わってくる・・・。

    (中味はただの博打マンガなのですが。^^;)

    追い詰められて、逃げ場無き人生…の、疑似体験を是非どうぞ♪

  • 画商・中条とのセザンヌ真贋対決!暗さに加えて、絵の一つを布で隠し、セザンヌまでの距離を札束で買わせる。1メートルで一億円。札束でできた架け橋の上で、今にも吹き消えそうに揺れる人の心。このシチュエーションがまさに人の本性を抉り出していて素晴らしかった。ここで見極められているのは絵ではなく人の価値。それまで何をもって生きてきたかという人生の意味。
    「他人を信じられない人間はとどのつまり自分も信じられない 信じることが出来ない…!」
    猜疑心の終着駅。この言葉が胸に突き刺さってくる。

    続いてはイカサマポーカーで金を巻き上げる大企業の御曹司たちとの対決。イカサマを見抜き、それを逆手に取る心理戦の面白さは抜群。そこに飛び交う札束の嵐。積み上げた札束の数だけ、命を削っていくようにヒリヒリしていく描写が上手い。銀行から資金調達してくる御曹司たちに対し、森田は失ったら命がない地獄の金で勝負へと挑んでいた。覚悟の違い。
    「あまりに奴らこれまでの人生で…負けてこなかった…」
    勝負前のこの森田の言葉が彼らの敗因だったのかもしれないね。森田が最後の勝負で仕掛けたポーカーのからくりはいったい何だったのか。次回が気になる。

  • セザンヌまでの橋・・・1cm¥1000000

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著者プロフィール

1980年、『よろしく純情大将』でデビュー。代表作は『賭博黙示録カイジ』、『天』、『銀と金』、『最強伝説 黒沢』、『賭博覇王伝 零』など多数。現在、『賭博堕天録カイジ 和也編』、『アカギ』を連載中。

「2012年 『賭博覇王伝 零 ギャン鬼編(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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