- Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575846256
感想・レビュー・書評
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田亀源五郎の『弟の夫』(アクション・コミックス)1巻を読んだ。仕事の資料として。
海外でも人気の高いゲイ・エロティック・アーティストの著者が、初めて一般コミック誌(『月刊アクション』)に連載中の作品。
ゲイの世界を描いたマンガは、これまでにもたくさんあった。
山上たつひこの「至上の愛」(『喜劇新思想大系』の一編)あたりが嚆矢なのだろうが、その後は少女マンガの世界でさまざまな形で描かれてきたし(吉田秋生の『カリフォルニア物語』のゲイたちとか)、「BL」も広い意味ではゲイ・マンガといえる。
しかし、自らもゲイである作者が、ゲイではない読者が大半の一般コミック誌にゲイのマンガを描くのは、本作が初だろう。その意味で、これは日本マンガ史の期を画す作品である。
主人公・弥一(やいち)の双子の弟がカナダで客死し、翌月、「弟の夫」マイクがカナダから日本にやってくる(カナダは同性婚が合法の国であり、外国人も同性パートナーと結婚できる)。
マイクは日本滞在中、弥一と娘の夏菜(カナ)が2人で暮らす家に住むことになる。
弥一はノンケ(=ゲイではない)であり、マイクにどう接したらよいかわからない。
戸惑いばかりの共同生活の中で、弥一はマイクを通じて、少しずつゲイに対する理解を深めていく。
……と、いうような話。
ていねいかつスッキリとした絵が素晴らしい。また、ゲイに関する基礎知識などが、あからさまな啓発臭を漂わせることなく、ストーリーの中に自然な形で織り込まれている点も好ましい。
ただ、私が本作の欠点だと思ったのは、主人公の娘・夏菜の描き方である。
夏菜は小学校低学年という設定だと思うが、その年頃の女の子が、突然外国からやってきた見知らぬオッサンを、きたその日から家族の一員としてすんなり受け入れるなんて、あり得ないだろう。
べつに「男と男が結婚するなんて、キモーイ!」とか言わなくてもいいけれど(それはそれで紋切型だし)、少しは戸惑いとか葛藤があってしかるべきではないか。
本作でマイクの登場に戸惑うのは弥一のみであり、夏菜はまったく戸惑わない。そこにリアリティの欠如を感じる。
弥一とマイクの人物像には十分にリアリティがあるのに、夏菜だけが「絵空事のキャラ」という印象を受けてしまうのだ。
これからのストーリーの中で、そのへんの不自然さが払拭されていくことを願う。 -
弟がカナダで結婚した相手、マイクが日本へやってくる。娘の夏菜はカナダ人の叔父さんに大喜びですぐに順応するも、弥一は戸惑い、カナの反応から学ぶことも多い。
ゲイの話だが、うるっとくる… -
以前ドラマ化されていて、見たいなと思っているうちに見そびれて終わってしまったので、まずは原作からと手に取ってみた。
思った以上に生々しく、自分が恋愛対象ではない性別の相手の見え方って男性はこうなんだなと考えさせられた。
男性作家がこういうテーマを描くこと自体珍しいと思うし、この作者の作風だけではなく切り取り方や感じ方、嫌悪感みたいなものが女性とは違うのかもしれないと感じた。
正直女性側からすると、恋愛対象が女性でない男性は、普通の男性より安全な感じがする。
痴漢や性被害が頻繁にあるような世界で、対女性のそういう犯罪は正当に裁かれないと感じることも多い状況で、女性に性欲が向かない相手を安全だと感じる女性は私だけではないと思う。
男性が男性から(しかも自分より力が強そうな)、自分が希望しなくても一方的に好かれてしまったらということを想像して恐怖を感じるという体験はそうないだろうし、そういう視点でも生々しく感じてしまって続巻を読むのをちょっとお休みしている。
この作品は純粋に同性同士の恋愛に接した異性恋愛の世界の人の話で、素直に楽しめばいいと思うのだけれど。 -
このうちとまれも読んで欲しい。
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子ども本の森にて読了。
タイトルに「?」となり、手に取ってみた。
同性婚の話だけどよくある教育的な本ではなく、
ほんとに普通の漫画。
読んで良かった。感動した。
こういう本を子供が意識せず手に取れる場所に
置いてある 子ども本の森 は良いなーと思う。
コロナだから仕方ないのかなとも思うけど、もっと気軽に入館できると更に良い。 -
いい歳こいて親の遺産で喰ってるようなもんだし… 近代以降、世界で初めて同性同士の結婚が合法になったのは、2001年のオランダ。 グロサリー…ああ食料品店か チーズアンドマカロニ ハズバンド夫…旦那さんってことだ ちょっと整理_してみよう_つまり俺は_結婚とかカップルとかいうものを_無意識のうちに_男と女という関係を基準に考えていた_…ってことだ_当たり前のようにそう思いこみ_全てをそこに当て嵌めていた ピンク色の逆三角形=ピンク・トライアングル=ゲイプライドやゲイライツ運動のシンボル 第二次世界大戦時、ナチス・ドイツによるホロコーストでは、ユダヤ人と同様に多くのゲイが、強制収容所に送られました。
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自分の双子の弟は家を飛び出てずっと海外で暮らし、現地で同性婚をして、そして亡くなり、その「夫」が日本にやって来ることになった…
今時のジェンダーに対する意識とそういったものにどう接していいか分からずにいる主人公の葛藤の描き方、LGBTを考える根底としてこういう作品が(良い意味で)一般の人の目に触れる機会がもっとあるべきだなと思う