小林さんちのメイドラゴン(12) (アクションコミックス(月刊アクション))

  • 双葉社
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本棚登録 : 161
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575856798

作品紹介・あらすじ

調和勢ナンバー2のテルネによって画策されたエルマの政略結婚。すんなりと受け入れたエルマとは裏腹に、やっぱり納得のいかない小林さんとトールは、これまで築いてきた互いの立場や関係性や想いを再確認する。そして辿り着いた、ひとつの答え。もう戻れないところまできた瞬間、式場に鳴り響いた音の正体とは…!?大人気人外系コメディ、第12巻は【エルマの結婚編】!!

感想・レビュー・書評

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  • エルマ尽くしの12巻、エルマがメインになるという事は彼女と因縁浅からぬトールの心情もピックアップされてくるという事であり、数々の衝突と和解を繰り返してきた二人だから見える独特の仲の良さは注目に値するね


    調和勢の均衡を保つ為に政略結婚を受け入れたエルマ。受け入れた割にそれを真っ先にトールに話そうとしていたりと彼女の内面は読み辛い面も有ったのだけど、中盤で紹介された水に喩える話を見てある程度納得できる部分はあったかも

    エルマがこれまで生真面目な性格を前面に出したがっていたのは単純に性格に依るものが大きいのだと勝手に思っていたのだけど、自身が調和勢に所属しているというステータスは存外にエルマの人格形成に大きな意味を持っていたのね
    自分は調和勢の神和派でテルネの願いを担う者。それこそがドラゴンのエルマであり、そう有るべきと定めたのがエルマという自身。だからこそ、テルネが掲げる結びの儀式も受け入れる


    エルマの問題とは別の方面として、トールがエルマをどう思っているのかという点もページ数を掛けて描写されていたね
    エルマの結婚は気に入らない。トールが自由を信奉するドラゴンだからという表向きの理由はある。それは混沌勢として育ってきたからとも言えるのかな
    トールもエルマと同じく自分が所属している勢力が人格形成に大きな意味を持っている。

    でも、自分が混沌勢だからエルマの結婚は気に入らないなんて主張では結局勢力対立の話になってしまう。それではエルマという個人をどう捉えているかという点は深堀り出来ない。だから小林もエルマの問題解決のため、トールにもっとエルマの気持ちを知るようにと促したのだろうね
    ただ、結婚をぶっ壊すだけでは。ただ、自分の想いが正しいと言うだけでは。それだけではエルマを翻意させられない。だからトールがすべきだったのはエルマにとってジダと結婚せずに小林がいる街で手に入る居場所こそ最もエルマが欲しているものだと納得させること。また、トールがエルマの事をどう思っているかをきちんと言葉にすること

    そういった趣旨で花嫁強奪は行われたのだろうけど、それにしたって合図となったのがどデカい腹の音とは(笑)
    エルマは所属に拠って形作られたステータスによって自身を規定していた。そんな外殻から形作られたものを打ち破るのが美味しい食事により形作られた内面とは(笑)
    確かにこれまでもエルマが食欲によって表情や言動を崩す場面は何度も有ったけど、こういったシーンでもそれが表出するとは思わなかったよ。でも、それを最も理解していたのがトールだったという事か


    結局トールがエルマに何て言ったかは描かれないままだし、変わらずエルマはトールと結婚したくないなんて言っている。それでも、エルマはトールと再び食べ歩きがしたいと言ったし、元の世界に戻ってからはオムライスの大食い対決なんてしている。変わった事なんて多くはないのだろうけど、この二人にとっては変わらなかったことこそ大切なのだろうな
    また、97話でのトールと小林の遣り取りを思い返すと、二人の間でどのような納得が交わされたか垣間見えるように思えてしまうね

  • 1冊の中で話もまとまっていて面白かった。シリアス回の中ではストーリーもよくできていたのではと思う。

  • 武器出す系女子…アンシーかな?

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著者プロフィール

多数の作家を輩出している漫画投稿サイト「新都社」にて、『ピーチボーイリバーサイド』を始め数多くの作品を発表。2012年に『小森さんは断れない!』で商業誌デビュー。その他に『旦那が何を言っているかわからない件』『小林さんちのメイドラゴン』『おじょじょじょ』『チチチチ』など多くの著作がある。

「2023年 『ピーチボーイリバーサイド(13)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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