大手航空会社・パンダ航空の客室乗務員・春日野美雁は、若手ナンバーワンとの呼び声高いパイロットで、女癖の悪い神園修慈との肉体関係を清算しようと決心し、一方的に別れを告げた。けれど、感じやすい身体を攻められてまた話をうやむやにされてしまう。
美雁は、そのまま気だるい身体を引きずって仕事に行くが、乗務したファーストクラスで投資家マーク・スペンサーにその身を狙われ、勤務中であるにもかかわらず耐え難い恥辱を味わわされてしまう。
そして、あろうことか、美雁の帰りに乗務する飛行機のファーストクラスを買い占めたり、次の常務で帰ってきた美雁の部屋に薔薇を撒き散らしたり…… 麗しい姿とは対照的なストーカーじみた行為を行うマーク。
そして、ついに美雁はマークに拉致され、彼の生活する豪邸へと連れ去られてしまう。
そこでマークに感じやすい身体を攻められ、身体を繋がれてしまうが、美雁を仕事にも行かせず、監禁するというマークに対し、美雁が助けを求められるのは、自分から別れを告げた神園しかいない。
結局、美雁が神園に助けを求めると、神園はすぐに助けにきてくれるが、その時にマークの屋敷に不法侵入する姿を写真に撮られてしまう。
おまけに、マークは実は投資ファンドの社長で、美雁と神園勤める航空会社に対し、買収をしかけてくる。
美雁は、マークの暴走を止めようと再びマークの屋敷に赴くが……という話でした。
こういう話を見てると「いやよいやよも好きのうち」という言葉がなんとなく思い浮かばないこともないですが、美雁にしてみたら迷惑な話なんだろうな……とも、思わないこともないです。
でも、美雁は「するのが嫌じゃなかった! じゃあ好きなんだ……」というよくあるBLの論理にもうちょっと縋ってもいいのかもしれない。その方が楽になれそうな気がする。
まぁ、それには神園がその浮気癖を直してくれるのが、大前提になると思うんですが。
この本の最後に「もう浮気はなしない」と神園が宣言をしているので、それが本当かどうなのか、を確認してからでもいいと思うので。
続刊を待て! というところかもしれません。