- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784576121727
作品紹介・あらすじ
のばしっぱなしの黒髪と、あまり言葉を発しない唇。かかとを踏みつぶした靴に、天然石の数珠-。カラス、そう密かに呼んでいた部活の先輩・槇野和隆と再会した加藤幸一は、自由奔放な彼を捨て置けず同居をすることに。「捨てたくなったら捨てればいい」という言葉の裏にある槇野の想いに気づく幸一だが、本当の意味で救いの手を差し伸べることができない。次第に恋人・久美との仲も危うくなるほど抜き差しならない関係になっていく二人が、年月を経て辿りついた"幸福"とは…。
感想・レビュー・書評
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まさに異色のBL。
今まで読んできたBL小説とは全然違う雰囲気のお話です。
ハッピーエンドが好き!という方は、ちょっと……なってしまうかもしれません。悲恋や切ないお話が好き!という方は良いかもしれません。
私は割と何でも好きなので、胸をきゅーっとさせられながら読みました。
男の先輩に惹かれつつも、常識、普通という枠から抜け出せず、覚悟もできずに思い悩む主人公の姿は、少々イラっとしてしまいました…。
ですが、それは誰しもがそうなのかもしれないと思うと、共感する部分もあり、なんとも言えない気持ちになりました。
というか、主人公の彼女だったり相手の先輩が綺麗な存在すぎて、悩んじゃうし比較しちゃうよな……。うん……。
そして、まさか「晴れの雨」のキャラクターが思わぬ形で出てくるとは!読みながら、やられた!とドキドキしました。 -
BL本って括りで読むより、恋愛ものの作品だと思って読んだらいい。切なくて、苦しい…。
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某挿し絵のシーンに涙。
通勤時のお供に読んでいたのですが、最後の方は家で読了。正直、外で読まなくて良かった。笑
ネット上の評価では賛否両論、異色のBLと評されていて気になっていたのですが。
読み終えてみて納得。これは確かに好き嫌いが別れる内容だと思う。
個人的には好きな部類。
本来、BLはファンタジーなので、様々な困難や葛藤があれど
最終的には二人の恋は成就するものが多い。
けど現実的に考えれば、世間体や常識、周囲からの理解など様々な障害があるわけで。
だから表題作の二人の関係も、これも一つの恋の結果だと思えば納得できました。 -
まさに異色のBL。評価が分かれる作品ですね。そして、ハッピーエンドじゃなきゃダメな人にはうーん…てなってしまう…。バットエンドなのかハッピーエンドなのかイマイチで…。
槇野と幸一で幸せになって欲しかった( ;∀;) -
異色と言われてなんで?と思うのは、私があんまりBLと呼ばれるジャンルを読んでいないからかもしれない。
BLの基本はハッピーエンドだというのは、ついこの前知りました。
確かにハッピーエンドじゃないのかもしれないんだけど、ドロドロと膿むような感情を、独特の透明感ある文章に仕上げる作家さんの力はさすがだと思いますし、そもそも本を読む時にBLだからというジャンル分けは必要なのか?とも思います。
さて、そういうわけで、これは、エロシーンとかハッピーエンドとかそういうBL必須要素を期待して読んではいけないということになります。
むしろBLというジャンルわけをすっきり追い出してから読んだほうがいいかもしれません。
でも問題は、BLじゃなかったらこの不協和音的なささくれた心持ちは生まれずに、作品の魅力もそのササクレ分だけ減っていたかもしれないという矛盾がここに在るということです。
そういう意味では充分問題のある作品でしょう。
ジャンル分けに関して問題を多く含む作品は実は私の好物の一種なので、朝丘さんと言う作家さんにますます持っていかれた気分です。
澱を沈めた透明感をぜひぜひ今後も味わいたい。 -
透明感は流石だし、朝丘さんが本当にやりたいことだったんだろうけど
主人公は幸せにはなれてないよね
救済のページが少なすぎてみんなが幸せになれてない気がする