- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784577018477
作品紹介・あらすじ
長年にわたるフィールドワークに支えられた本格的「動物記」。大自然のなかでくりひろげられる動物たちの姿を、新たな発見とともに生き生きと描く。
感想・レビュー・書評
-
「コミュニケーション力を引き出す」で、
ゲラダヒヒという、言語が発達している変わったサルがいると書いてあったので、
まずは入門書としてこの本を選ぶ。
入門書というよりかは、シートン動物記のような児童書だった。
でも、ゲラダヒヒの社会や環境はつかめたし良かった。
他のサルように、強者が弱者にマウンティングをするのではなく、
マウンティングさせることによって余裕というか優位を示すという文化に驚く。
確かに、普通のサルではない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(2005.03.26読了)(1998.01.06購入)
NHK総合テレビ・月曜午後8時からの「地球・ふしぎ大自然」(以前は、生きもの地球紀行)を毎回楽しみに見ております。エチオピア高原のゲラダヒヒが取り上げられたこともあります。エチオピアでの、ゲラダヒヒの研究を始めたのが、この本の著者の河合雅雄さんたちで、今は後輩たちが研究を続けています。
この本は、研究成果を元に、ゲラダヒヒの誕生から、群れ(バンド)のリーダーになるまでを物語として読みやすくドラマチックに構成しています。ゲラダヒヒだけでなく、近くで生活するヒゲワシの生態などについても触れています。(テレビでもやってましたけど)
楽しみながら、ゲラダヒヒの生態を知ることができます。
エチオピア人は、ゲラダヒヒのことを「チェラダ」と呼ぶのだそうで、初めてこのサルを報告したドイツ人が「ゲラダ」と聞き間違えたため「ゲラダヒヒ」という名がついてしまったのだそうです。
ゲラダヒヒは、標高3800メートルを超える高原に住んでいます。垂直の崖で区切られたテーブル上の台地で暮らしています。夜は、天敵に襲われないように崖の中腹に移動して過ごします。朝になると朝日で体を温めてから崖を上り、大地の上の草原で、食事を取りながら過ごします。一つの群れは、一頭の成人オスと複数の成人メスとその子供から構成され十数頭になる。ゲラダヒヒは、平和主義者?で、縄張り争いはせず、複数の群れが同じ台地で暮らしている。
メスは、生まれた群れでずっと過ごすが、オスは、4歳か5歳ぐらいになると群れを出て、フリーランスで過ごしたり、オスグループに入って過ごす。
オスグループのボスになったところで、群れのボスの乗っ取りを狙う。うまく乗っ取ることができれば、群れのメスを独占して、子供を残せる。あまり強くなければ、群れにセカンドオスとして入り込む方法もある。
●河合雅雄の本(既読)
「ゴリラ探検記」河合雅雄著、カッパブックス、1961.08.20
「ニホンザルの生態」河合雅雄著、河出書房新社、1969.07.10
「少年博物誌」河合雅雄著、福音館書店、1976.05.30
「ゲラダヒヒの紋章」草山万兎著、福音館書店、1978.04.25
「サバンナの二つの星」草山万兎著、福音館書店、1982.06.30
「ゲラダヒヒ」河合雅雄著、平凡社、1984.09.14
「人類進化のかくれ里」河合雅雄著、平凡社、1984.10.19
「ジャングルタイム」草山万兎著、理論社、1985.02.
著者 草山 万兎
本名・河合雅雄
1924年 兵庫県生まれ
京都大学理学部動物学科卒業
専攻、生態学、人類学
『少年動物誌』福音館書店・野間児童文芸賞推奨作品賞受賞
『小さな博物誌』筑摩書房・産経児童出版文化賞受賞
『人間の由来』小学館・毎日出版文化賞受賞
(「MARC」データベースより)amazon
長年にわたるフィールドワークの経験をもとに、大自然のなかでくりひろげられる動物たちの姿を新たな発見とともに生き生きと描くシリーズ。本巻では、エチオピアの高地に住み、特殊な形の群れをつくるゲラダヒヒをとりあげる。