育ての心 下 フレーベル新書 13

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  • フレーベル館
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784577800492

感想・レビュー・書評

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  • まさに子育てのバイブル。幼児における教育とは何か、親として大人として子供を育てていくために何を考えなければならないのかを提示してくれる。
    下巻は子どもの特質や生活について各論的に描写しながら学術的視点も踏まえながら考察と解決策を与えてくれる。難しい言葉や抽象的な表現が増えてくるので、確かに上巻に比べると読みづらい。ただなるほどと腹落ちしやすいのは理論的な下巻の方かな。上巻はどちらかというと詩とかをふまえて感性に響く感じ。
    後半の名画解説は面白かった、美術館に行きたい!って思わせてくれた。芸術家の素晴らしさはその観察力と表現力にある、ってところに納得。理系の研究者や科学者は理論と知識を武器に自然現象を分解していく、つまりは頭の中で考えて組み立てる。芸術家は自然をありのままとして捉える、だからこそそこに描かれるのは頭で考えてはわからない本質とか真理が描かれるものなんだなー。

  • 上巻に比べると読みづらいです。
    が、内容は現代にも通じるところがあるので、面白いなぁと思います。次から次へと新しい母親と子どもが生まれるわけで、いつの時代も同じことで悩んだりするということです。アドバイスも結局のところ、子どもに寄り添うということにつきます。
    この本で「子どもの読み物」という章があります。
    なんとなんと、本を子どもに与えるか?内容の確認が必要など、さながら現代のゲームやICTの与え方といった感じです。
    現代の絵本や児童書はほぼほぼ安心して与えられる、むしろ自由に好きなのを選びなさいといった感じですが、昭和初期は毒々しい絵本が存在するからまず親が念入りに確認してから与えなさいということでした。
    数年後にはインターネットも整備され、安心して子どもが自由に使える日がくるんだろうと期待します。
    そして、「子どもを叱りて」では、
    『実に子どもを叱るということは此の上もないむずかしいことである。得手勝手のない、まざり気のない心で常にほんとうに正しく、子どもを叱ることのできる人があったならば、それこそ理想の父母兄姉たり教育家であるばかりでなく、立派な聖人といってもいい。』とあります。そうなんです、難しいんです。知ったような偉そうな子育て本などありますが、そんなに簡単なものではない。無責任に良いこと言うなら誰でもできる。そこで「私共も子どもの過ちを咎めるばかりではない、自分自らにやはり同じような過ちも又過ちもするものであるという、此の常にやさしい謙遜な心があって、始めて同情と憐れみと悲しみと憂いとを以てほんとうに子どもを叱ることができるのである」謙遜な心を忘れない。謙遜、謙遜、謙遜、謙遜…本当に忘れないで、私。

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