ぼくの一輪車は雲の上 (文研じゅべにーる)

著者 :
  • 文研出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784580811973

感想・レビュー・書評

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  • わたしも、やっているような気もちになりました。

  • 4-580-81197-6
    8393\1300E.

    文研じゅべにーる
    ぼくの一輪車は雲の上
    作者:山口 理(やまぐち さとし)
    画家:すえざきしげき(すえざき しげき)
    発行所:文研出版

    1997年7月30日第1刷
    1998年5月10日第3刷

    ちなみに「じゅべにーる」はポルトガル語で「若さ」という意味だそうです。

    ※表紙カバーに 
    第44会青少年読書感想文全国コンクール☆課題図書☆
    シール有り
    裏表紙に 主人公達が富士山頂付近で撮影したらこんな感じになるって写真の絵 気象観測用のドームがうつっていて青空
    見返し部分には富士山の三合目からスバルライン頂上剣ヶ峰レーダードームまでの道のり絵図があり、富士山に登ったことが思い出にある人なら大人の人でも思いを重ねやすいだろうな。
    -----------------
    書棚整理のため手にした一冊
    10歳前後の児童向けに書かれた物語で、出版年が1997年なので2020年だと33歳前後になってますね。
    全国学校図書館協議会選定図書 と記されているだけ有って、大人が子どもにあずけて心配ない一冊。
    現代の考え方とはちょっとずれる部分も有る。今どきの子どもらにどう捉えられるのだろう?
    それよりも、子どもをこの様に扱うとこうなる可能性が有るよと親世代が学べる一冊になっている気もする。
    ----------------

    カバー袖より--
    ケンちゃん、ぼくにはみんなみたいに得意なものはない」ってしょげてたんだって?
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    健太 主人公小学4年生なりたて
    一樹 健太の同級生 ヘタレかと思われたが案外大丈夫
    正男 健太の同級生 登山中高山病になる
    健太の兄 ラジコンヘリで健太を釣る 高山病になりやすい体質らしい。
    高木さん 自転車であちこち旅をするフリーター。健太の登山のサポートをしてくれる。
    チー坊 健太の好きな女の子
    おばあちゃん 健太三年生の冬に「なにか得意なものを持て」と言い残して死ぬ。その言葉が健太のコンプレックスにもなり、自身を持つキッカケにもなった。
    野中到(のなか いたる)富士山で越冬観測を初めて成し遂げた人として文中にでてくる。この人は実在の人物。

    --------------------------
    自分には得意なものがないと思い込んでいる主人公の健太。テレビで富士測候所で一冬観測を続けた人のことを知り興味を持つ。級友2人が協力を申し出、サポーターの高木さんという人を得て、出発のときには兄も同行し、登山を成し遂げる。

    勉強とか運動とか大人が一般的に評価しやすい事柄ではなくてもいいので、得意なものが一つあると良いよ。そのために頑張ってご覧よ。ってことを伝えたかったのかなー。
    時代が旧いもので、女の子は同行する設定になっておらず、手紙とお守りを渡して待ってるね頑張ってねって設定。
    お兄ちゃんは以前挑戦した富士登山を高山病で断念。今回参加し、やはり高山病っぽく体調を崩す、同行した同級生の正男が高山病で登頂アタックはせずホテルでステイする面倒を見ることになり、またしても登頂は叶わず。好意的にみれば、それが叶わなくても、役目は有り、その役目をまっとうするひともまた必要な人材。ともとることができる。
    一樹はヘタレと思われていたが、活躍せずともお荷物にもならず、(クラスに居たよね、コイツ大丈夫か?ってのが案外大丈夫だったっての)

    無事に登頂を済ませたところで物語は終わる。
    裏表紙には級友、兄、サポートの高木さんと一緒にうつっている写真の画が有った。

    さすがにお上の推薦本だけ有って、見本のようなお話。
    普通の自分(主人公に似ている自分)頑張って、やり遂げた。その途中のトラブルのアレコレ。
    8月後半のアタックだったので、夏休みの感想文の課題図書としては抜群の設定。

    捻くれた大人になってから読むと鼻白むが、最初の頃は誰も特に日常で関わる人からは反対されたり、相手にされなかったり、バカにされたりしても、行動し、その目標に近づくと知恵を貸してくれたり、応援してくれる人が増え、協力してくれる人も増えるというのは今でも大人こどもに関わらず有ること。
    そこら編はさり気なく描かれていて巧いなと思う。


    こういう物語を読んで成長した人はきっと、24時間テレビとか好きなんだろうなーとナナメに見てしまったw

  • 相当な読書嫌いだった小学校時代、読書感想文の宿題を終えるべく泣く泣く読んだ一冊。嫌々読んだ割には内容を覚えていて、つい社会人になってまた改めて買ってしまった。
    特に長所のない(と思い込んでいる)少年が、一輪車を富士山の上まで担いで登るまでの過程を描いた物語。Facebookに投稿したら無数のいいね!が付くことだろう。
    頭の片隅にこの物語が残り続けるのは、特に長所のない(と思い込んでいるだけ、と信じたい!)自分にも、きっと人が驚く何かができるんだと、心のどこかで戒めたいからかもしれない。

  • もう、ほんと、こういう絵、タイトル、そそられないんだけど、日頃子供に絵で判断するなって言ってるからね(でもそれは、寺島竜一の挿絵の『からすが池の魔女』とか、桜井進の絵の『ピッピ』とかそういう本を指してるんだけど)、頑張って読んだよ。
    まあ、予想通りというか、絵も内容にぴったりというか、いかにも教師が書きそうな話っていうかね・・・。
    特にとりえのない普通の男の子が一輪車が得意な自分を発見し、一輪車を担いで富士登山し、頂上で一輪車に乗るって話なんだけど。(読まなくても絵を見ただけでこれが言えそうなところがやだ。)
    一輪車は女の子っぽくてかっこ悪いと悩んだり、登山中に一緒に登った友だちが具合悪くなってリタイアしそうになったり、登山中一輪車が重い上、悪天候になってくじけそうになったりと、完全想定内のトラブルがあり、もちろん最後は成功して達成感(「やればできるんだ!」)を感じるという・・・。
    憧れの女の子はあくまで応援して見守るだけのわき役ってとこが、作者の古臭さを際立たせる。(飛雄馬を見守る明子姉ちゃんみたいな)
    ターゲットの読者(小学3年から6年)が飽きないよう、読みやすいようにしてあるところも、教師らしい。
    まあ、こういうの学校の先生が読ませたい感じよね。
    読んで害があるわけではないが、校長先生の朝礼の話みたいにすぐ忘れそう。

  • 私も富士山に登った経験があるので、
    よーく気持ちが分かりまーす!!

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著者プロフィール

山口理(やまぐちさとし)
東京都に生まれる。28年間の教師生活を経て、執筆に専念。自転車で日本縦断し、富士山頂を走り回り、また時には徒歩で利根川の河口から源流まで歩き通すなど、腰の落ち着かない作家である。ただし最近は、寄る年波のせいか、車を使って愛犬とふたり(?)で日本一周の旅をするという、軟弱者に成り下がった。
 登山も常に単独行で、あまりの知られていない山や、登山者の少ない山を選んで登る、といった偏屈な一面がある。(プチ遭難の経験あり)ペットとして、臆病な柴犬の「こゆき」と、凶暴ネコの「たまご」を飼っている。
 主な作品に、『直樹の学校戦争』(小学館)、『風のカケラ』(汐文社)、『時のむこうに』(偕成社)、『ぼくの一輪車は雲の上』『ゴジラ誕生物語』『リターン!』『ロードキャンピングカーは北へ』(いずれも文研出版)など多数あり。

「2022年 『生き抜け!遭難の五日間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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