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- Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
- / ISBN・EAN: 9784580821552
感想・レビュー・書評
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見栄っぱり・意地っぱりで好きな子に「好き」と言えない子ども時代の、恋未満の恋。小学生のときから既にはじまっている、男女間の駆け引き。
同級生の女の子ケイシーの家に遊びに行ったマーヴィンはどんな願いも叶えるという「まほうの水晶」を見せられ、願い事をするときは必ず2人で、と約束する。おそらく「まほうの水晶」はケイシーがマーヴィンの気を引くための口実で、願いを叶える力なんて、本当はない。
水晶の力に半信半疑なマーヴィンの前で願いを次々実現させていくケイシー。「だまりますように!」。マーヴィンの咄嗟の一言が彼女を沈黙のストライキへ向かわせる。その「演技」を暴こうとするマーヴィンと、妹や友人と共謀してだんまりを決め込むケイシーの言葉ならざる応酬。まるでそれはテレパシー。
ケイシーがマーヴィンの前で声を発すれば、それはまほうの水晶の力が棄却されたことを意味するのだろうか? 物語のラストでマーヴィンは水晶にあることを行う。そのとき言葉は実現可能性を問題としない遥か遠くの圏域、未来のその先に向けて投擲される。言葉が目に見えない波紋を広げる美しい児童文学。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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