尊敬する人はいません(今のところ) (文研じゅべにーる)

著者 :
  • 文研出版
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本棚登録 : 69
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784580825697

作品紹介・あらすじ

私には、お父さんがいい人なのか悪い人なのかわからない。お父さんのことを、好きなのか嫌いなのかもわからない。(若羽)小さい頃の僕は、父さんのようになりたいとあこがれていた。もちろん今だって、立派だと思う気持ちは変わらない。だけどときどき、そんな父さんを見ていると息苦しくなることがある。(慧)

感想・レビュー・書評

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  • #尊敬する人はいません
    #中山聖子
    #文研出版
    #児童書
    #読了
    同じクラスの若羽と慧。二人の父親への見方が変化していく物語。父親の顔、仕事の顔、素の顔。いいところだけの人なんていないんだ。親も人間。ちょっと大人の男性のこわい面も描かれていてゾワっとしました。終わり方はとてもさわやか!

  • 小学6年生の男の子と女の子の、父親に抱く複雑な気持ちをとても丁寧に描いている。大人の自分が読んでぐんぐん読んでしまう面白さがあった。他の作品も読まなければ。

  • すごく好きです。
    もしかしたら後味の悪い結末になるのでは……?と
    一抹の不安を抱きつつも、お話しに引き込まれて、一気に読み終えました。ありがちな題材だろうに、憎らしくなるほどのさじ加減で、こども達の心のひだを、大人たちの葛藤を描き出して、これまた見事な構成で完結しています。

    サトシとカナタの交流がやっぱりいちばん好きです。「どうか……!どうかお願いします」と祈りながら読んでました。それからもちろん、若羽のお父さん。人間くさくて惹かれます。

    それにしても、児童文学舐めてたなあ私。反省。

  • 父親に翻弄される若羽と慧。これホントに児童書?きっと若羽の両親は離婚するし、慧の父親は偉そうな態度は変わらないだろう。子どもは子どもなりに悩み、成長していく。この本を通してそれを再認識させられた。

  • 児童書だけど、大人にとっても読みごたえがあった。若羽と慧、それぞれの家庭の問題がうまく対比されているけれど、どちらが正しいとか間違っているというような単純な話にはなっていない。親をひとりの人間として見始める頃の、子どもの複雑な心境がリアルに感じられた。この作者のほかの作品もそうだけど、とにかく人の描き方が見事。子どもの心情が細やかに、そして丁寧に書き出されている。読後感も良い。

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著者プロフィール

中山聖子
1967年、山口県に生まれる。日本児童文芸家協会・日本文学者協会会員。「夏への帰り道」(のち『三人だけの山村留学』として学習研究社にて刊行)で小川未明文学賞大賞。「チョコミント」(のち『チョコミント』として学習研究社にて刊行)でさきがけ文学賞。ほかの作品に、『さよなら、ぼくらの千代商店』(岩崎書店)、『雷のあとに』『パパはカッパか!?』(文研出版)などがある。

「2022年 『はっけよい、子ガッパ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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