虹色のパズル (文研じゅべにーるYA)

著者 :
  • 文研出版
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本棚登録 : 84
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784580825826

作品紹介・あらすじ

普通であろうと感情や個性を押し殺して辛い日々を過ごす琴子。夏休みに一緒に暮らすことになった叔父の圭一郎は、ゲイであるのを隠さない自由奔放なドラァグクイーンだった!人付き合いが苦手な数学ガールと、我が道を行くクイーンの、カラフルでマジカルな夏休み。

感想・レビュー・書評

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  • 凄く真っ直ぐに『普通とは』を問いてくるお話でした。
    ひょんなことから、叔父さんのアイちゃんと姪の琴子ちゃんが短期間一緒に住む事になる。普通と少し離れた2人。2人は違うように見えて似ている。
    世の中に違和感を持っていたり、自由に生きるってなんだろう、普通とはなんだろうと思ってる人、そんな人に読んでもらいたい本です。明るく可愛いアイちゃんに、そして言葉に少し心が解けていきます。

  • 変わっていると言われる女子中学生琴子は、夏休みにドラァグクイーンのおじさんの家で暮らすことになる。
    「普通」って何だろう。LGBTQ+、ASDだけでなく、様々な「普通」に「?」を突きつける。
    この物語で窮屈さから逃れられる人もいるだろう。偏見が揉みほぐされる。

    僕は子どもの頃から「普通」がわからなかった。「みんな」と同じでいられなかった。「そういうものなんだ」と開き直っていた。
    でも自分と同じ感覚や感性や思考の持ち主と出会えた時に、解放された気持ちになった。やはり窮屈だったんだよね。
    だから世界は様々な色や形で満ちていることを伝えていきたい。

  • 2023 文研じゅべにーるYA

    成宮琴子 中2
    母親からいつも「ふつうの女の子のように」と言われ、「ふつう」に悩む

    琴子は周りの女の子のようなことに興味が持てずに、こっそり持ち歩いているルービックキューブを合わせることで気持ちを落ち着かせている

    母から「この夏休みをおじさんの家でさごせ」と言われる
    おじさんがいたことも知らない琴子
    琴子が訪ねると、おじさんの圭一郎はBar雨上がりのドラァグクィーンのアイリスとして働く、ゲイであった

    初めてのことばかりで驚く琴子
    しかし、おじアイちゃんとの生活は初めて気づくことだけではなく、心地の良いものでもあった

    1週間後、アイちゃんのパートナーの真さんが帰宅
    税理士

    そんな時、学校の蟹江くんから理数コースを誘われ、また科学部に誘われる
    タイル屋の蟹江くんは
    駅前のコンコースのタイルを模様を数学的に考えることでコンテストの数学部門で発表することを考えていた
    琴子も一緒に研究することに

    圭一郎さんの入院

    おじいちゃんの死
    圭一郎のカミングアウト
    両親の離婚

    琴子は母と2人暮らしになるも、今までよりも生きやすくなる

  • ドラァグクイーンの叔父と夏休みを過ごすことになった主人公。主人公の心の成長がよくわかる良書。おじさんの難しい気持ちにぎゅんってなる。

  • LGBTQ+について知れる児童書。とても読みやすい。世界はカラフルだ。色んな人が色んな生き方を否定されないで生きれたらいいな。自分とは、普通とは、を突き詰めたら難しいけれど、子どもも大人も「普通」を取っ払って考えるきっかけになったらいいな。

  • お、タイトルからして攻める気満々できてるぞと読みました。やーよくできてる。LGBTQ+、ASD、各種属性の生きにくさにパズル、要素自体は結構多めに詰め込まれてるのに各人のキャラクターとしてしっかりまとまっているから詰め込んでいる感がない。万人にいい未来を志向したいですね。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。京都大学総合人間学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。第13回角川ビーンズ小説大賞にて審査員特別賞、第9回集英社みらい文庫大賞にて大賞受賞。おもな作品に、『おにのまつり』(講談社)、『ノベルダムと本の虫』(角川書店)、「花仙国伝」シリーズ(角川ビーンズ文庫)、「悪魔のパズル」シリーズ(集英社みらい文庫)、「毒舌執事とシンデレラ」シリーズ(講談社青い鳥文庫)などがある。

「2023年 『セントエルモの光 久閑野高校天文部の、春と夏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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