金東仁作品集 (朝鮮近代文学選集)

  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582302370

作品紹介・あらすじ

朝鮮の伝統的な風俗・情緒への耽溺と、先鋭な近代的芸術家意識に引き裂かれながら、朝鮮文学史上、近代短編小説を確立したとされる金東仁(1900〜1951)。その業績は、日本の芥川賞に相当する「東仁賞」として、韓国で今も顕彰される。本書は、彼の初期作品から解放後の李光洙をモデルとした「民族反逆者」まで、生涯にわたる様々な実験的作品を収録した日本初の本格的作品集。

著者プロフィール

一九〇〇~一九五一 平壌(ピョンヤン)に生まれる。号は琴童(クムドン)など。一九一四年に日本に渡り、東京学院中学部に入学したが、学校が閉鎖されたため翌年に明治学院中学部二年に編入。一八年には川端画学校に入学した。一九年二月、田栄沢(チョン・ヨンテク)、朱耀翰(チュ・ヨハン)らとともに初の純文学同人誌「創造」を発刊。創刊号に初の短編小説「弱き者の悲しみ」を発表した。同年三月に帰国するが、弟の頼みで三・一独立運動の檄文を起草した疑いで拘束、投獄された。釈放後、「命」(二一)、「馬鈴薯」(二五)、「狂炎ソナタ」(三〇)などの短編を発表し、李光洙(イ・グァンス)の啓蒙主義文学と対比される簡潔で洗練された文体が評価された。また「朝鮮近代小説考」(二九)や「春園研究」(三八)で李光洙を批判したことでも知られる。三〇年から翌年まで初の長編小説『若い彼ら』を「東亜日報」に連載。三三年には「朝鮮日報」に学芸部長として入社したが、ほどなく辞職した。月刊誌「野談」を発刊、「狂画師」(三五)などの作品を発表する。三八年、「毎日申報」に内鮮一体や皇民化政策をたたえる内容の散文「国旗」を寄稿し、日本の帝国主義に協力する姿勢を示した。翌年には北支皇軍慰問作家団で活動し、同年に朝鮮総督府の外郭団体である朝鮮文人協会に発起人として参加した。植民地支配からの解放後、四六年に全朝鮮文筆家協会の結成を主導し、李光洙をはじめとする作家の植民地時代の親日行為を批判する「反逆者」(四六)、「亡国人記」(四七)などの短編を発表した。四九年に中風で倒れ、五一年に朝鮮戦争の戦火の中、ソウルの自宅で亡くなった。

「2022年 『B舎監とラブレター』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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