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- Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582473230
作品紹介・あらすじ
19世紀のハンガリーにロビン・フッドがあらわれた。権力にとっての<悪>と民衆の<善>を体現したベチャール(義賊)の王ロージャ・シャーンドルとその世界。未開拓の分野にいどむ実証的歴史研究。
感想・レビュー・書評
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19世紀ハンガリーの有名なベチャール、ロージャ・シャーンドルの虚像と実像に迫る内容。弱きを助け強きをくじき、1848年の革命のおりにはコシュートらとともに戦った伝説的な義賊とされ、文学作品や口承伝承でも広く親しまれている人物。にも関わらず、その生い立ちやベチャールになった経緯はさだかではなく、そもそも彼自身、「義賊」的な確たる信念をもって活動してきたかどうかもわかっていない。彼の生涯はけっして英雄的でも劇的でもなかったのだろうが、彼らベチャールの活動が当時の社会情勢や農民たちの感情と切っても切り離せない関係にあったことはおもしろいし、彼の虚像が実像と切り離されてコシュート崇拝や皇帝崇拝と結びつき、まことしやかに語り継がれていくところなど読み応えのある内容だった。
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