ハンガリーに蹄鉄よ響け: 英雄となった馬泥棒

著者 :
  • 平凡社
0.00
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 5
感想 : 0
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582473230

作品紹介・あらすじ

19世紀のハンガリーにロビン・フッドがあらわれた。権力にとっての<悪>と民衆の<善>を体現したベチャール(義賊)の王ロージャ・シャーンドルとその世界。未開拓の分野にいどむ実証的歴史研究。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 19世紀ハンガリーの有名なベチャール、ロージャ・シャーンドルの虚像と実像に迫る内容。弱きを助け強きをくじき、1848年の革命のおりにはコシュートらとともに戦った伝説的な義賊とされ、文学作品や口承伝承でも広く親しまれている人物。にも関わらず、その生い立ちやベチャールになった経緯はさだかではなく、そもそも彼自身、「義賊」的な確たる信念をもって活動してきたかどうかもわかっていない。彼の生涯はけっして英雄的でも劇的でもなかったのだろうが、彼らベチャールの活動が当時の社会情勢や農民たちの感情と切っても切り離せない関係にあったことはおもしろいし、彼の虚像が実像と切り離されてコシュート崇拝や皇帝崇拝と結びつき、まことしやかに語り継がれていくところなど読み応えのある内容だった。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

千葉大学・法政大学名誉教授。国際学修士(東京大学)、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在は一般社団法人やまなみ付属世界史研究所所長。主な著書に『神川松子・西川末三と測機舎』(編著 アルファベータブックス)、『世界史なんていらない?』(岩波ブックレット 岩波書店)、『「世界史」の世界史』(共編著 ミネルヴァ書房)、『「連動」する世界史』(岩波書店)、『歴史的に考えるとはどういうことか』(共編著 ミネルヴァ書房)、『国際関係史から世界史へ(MINERVA世界史叢書3)』(責任編集 ミネルヴァ書房)がある。

「2022年 『図解で学ぶクリティカル・シンキング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

南塚信吾の作品

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×