- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582477344
感想・レビュー・書評
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中近世を区別する一つとされる兵農分離について、研究概念を構成する要素別に実像を再検討する内容。研究史とその到達点が整理されていて、身分制や近世知行制・居住形態の形成・変遷過程など興味深く読めた。
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2017/12/13 初観測
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兵力の強化を志向する権力者によって身分制の確立を促進する兵農分離が行われ、それが近世への道を開いたというのが定説であるが、それがはっきり目指されたのではなく、戦国→織豊→江戸時代へと社会状況の変化に従って醸成された武士と奉公人、百姓それぞれの思惑に対処する政策(地方知行制→俸禄制など)が行われたことによって結果的に兵農分離の状態になっていったという。
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[評価]
★★★★★ 星5つ
[感想]
信長や秀吉が実施した政策として有名な「兵農分離」を詳細に解説している。
結論から書くと「兵農分離」時代を目的とした政策は存在しておらず、他の目的のための政策が結果的には兵農分離に近い状態を生み出していたということになるのだろう。
それにしても、はじめに兵農分離というものが、そもそもどのような内容であるかを定義することから始まり、兵農分離に関連した政策を紹介し、それらが何を目的としていたのかを分かりやすく知ることができた。 -
東2法経図・開架 210.47A/H64h//K