生物の複雑さを読む: 階層性の生物学 (平凡社・自然叢書 30)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582546309

感想・レビュー・書評

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  • 情熱的な本です。
    終わり近くの、ディプロイド細胞になって死ぬことと引き換えに「個性」を得られたという箇所は、その記述に至るまでの階層性を使った細胞の飽くなき挑戦による進化についての明晰な記述の積み重ねが効いていて胸に迫ってきます。くだけて言うとグッ!ときます。

    脳に関する本を読みあさって、心は神経細胞によって起こる化学物質や電気信号のパターンという物理的なものから生じているのが実感できるようになったけど、ここのところ細胞の本を続けて読んで、生命も高分子化合物や化学反応による物理的なものから生まれているんだと理解できる端緒を得られたように思います。そして、そういう思いに至ることでかえって心や生命が単なる物理現象に還元されな不思議さを持つ素晴らしいものだということが身に沁みました。

    団さんの「そういう時の細胞の気分が知りたい。」という細胞に対する温かい眼差しがとても素敵です。

    Mahalo

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著者プロフィール

大阪市立大学理学部教授

「1995年 『動物の自然史 現代分類学の多様な展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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