スロ-・イズ・ビュ-ティフル: 遅さとしての文化

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 244
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582702330

感想・レビュー・書評

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  • 良書.

  • 三匹の子豚って藁や木の家に住んでいるのは野蛮でレンガの家に住む事こそ文明の証だっていうメッセージだったって。ショックですよね。木の家に住み身としては。
    うかうか子どもに観せられません。
    ロハスに興味が湧いてきたら読んでみてください。

  • 楽に速く大量に…を追い求めて、私たちは自らの時間と健康を捨て猛烈に働き続けている。大量生産・大量消費社会は私たちに幸福を与えてくれたのだろうか。今を生きる“息苦しさ”の理由がわかった気がする。

  • 「スロー」はここからはじまった。
    スピード優先の競争社会、環境破壊型の社会、そんな現代は生きづらい。そうでない生き方があることに気づかせてくれる本。キーワードは「スロー=“遅さ”」。必読の書です。

  • 表現の言い回しは堅苦しい感は否めないが
    パラダイム転換の訓練の題材としては、非常に有効
    大切なメッセージを挙げれば枚挙に暇がないけれど
    いくつか考えさせられる表題を紹介
    ------------------
    「今はそれどころじゃない」の「今」

    「答えを生きる」

    「非電化」運動
    ------------------
    ぼ〜とこういった言葉と向き合う時間を持ちたいですね

  • このタイトルに全てが集約されていると思う。本書を読む前と後ではこの言葉の持つ意味がまるで違ったものに聞こえると言ったら大袈裟だろうか。少なくともぼくは、「スロー」という言葉が持つ大きな可能性、本来持っていたはずの悦びを読み取る事ができ、目から鱗が何枚も落ちた。本書は、既存の価値観への強烈なカウンターパンチでもある。


    “100万人のキャンドルナイト”の発起人としても知られる文化人類学者、環境運動家の辻信一。

    「環境運動」というと、昨年ノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア氏による「不都合な真実」に代表されるように、現代科学による地球破壊というシリアスな側面ばかりがクローズアップされる事が多い。今まで好き勝手に暮らしてきたわたしたちは地球を壊してしまった。だからわたしたちはこれ以上地球が壊れないように、地球を守らなければならない。全くもってその通りである。ただ、最近の異常なほどのエコ・ブームには少し違和感を感じる。エコをしているという自己満足で終わってしまう(そしてそれに気付かない)という罠に陥ってしまう可能性があるからだ。あるいは単なるマーケティングとして利用されているだけのものもあるだろう。エコな新製品を買って、本当にそれをずっと使い続けるのだろうか。ブームが去ればまた新たなものが欲しくなるのでは。今まで知らなかった事を知り、エコに関心を抱くのはとても意味のあることだと思うが、過度な流行は一抹の危険性を孕んでいることも頭に入れておきたい。

    以前、TBS「情熱大陸」に出演しているのを見たが、辻信一という人は、ナマケモノを抱っこしたりして、のほほんとした印象のおじさんだ。「がんばらない」の提唱からも分かるが、確信的にそういう印象を与えているのだ。地球環境に関しては誰よりも危機感を抱いているはずなのに、いたずらに危機感を煽るようなことはしない。まずは自分たちが楽しまなければ、とうのが大前提にあるからだ。ここが大事なところで、実はとても本質的なことだと思う。

    スロー・ライフというのは走り続けていると見逃してしまうような、些細なことなもしれないが生活の中のひとつひとつの小さな喜びを楽しむということにこそ、本質がある。他愛も無いことに思えるかもしれないが、ここにこそ価値観の大きな転換が隠されている。経済最優先で当たり前のように一律に沁み込んだ“幸福のイメージ”からちょっと目を離してみる。そうすると意外にもたくさん身の回りには楽しいことがあることに気付くはずだ。そしてそれは一律で測れるものではなく、個人個人の感性に委ねられるものであるはず。それは多様性を知り認める合うことにも繋がる。価値観にしろ常識にしろ、決まった正解があると思い込むことは、「〜するのが当たり前」となり「〜しなければならない」ことになる。他者に対しては排他性となる。義務感でするエコに発展性は無い。ぼくたち自身が喜びを感じながら、それが日常となり実生活に根付いていくことが、なにより重要なことだと思う。それは各々が考え、感じるものだと思う。

  • こんな生き方ができればな・・・と。

    「忙しい」って、「心が亡くなる」ことだよと高校時代に生物の宮崎先生から教えられたことが、ここにも書いてありました。
    心が亡くなるということに対して、今の日本人はどういう考えを持っているかはちょっとわからない。
    もしかしたら、心ここにあらずみたいな状況になっているのかも。
    そういうことに気づかない状態になっているのは非常に悲しいことなのではないかと思いました。

  • 現在の生活に対する根元的な違和感、ようやく分かった様な気がする。

  • Take your time! まあ自分のペースでゆっくりやれよ!

    スロー イズ ビューティフルは新しいライフスタイルの提案、社会変革の呼びかけだそうです。

    小菅村の生活、暮らしもスローライフですよ。

  • スローフードな人生に感化されて手に取った。彼自身もこれに触れていて、同じ魅力を感じていたようで、うれしかった。
    私の今後のバイブルになりそう。スローライフの意義や魅力を独りよがりではなくさまざまな視点で展開をしていてよかった
    。時間を秩序として産業や環境など生き方を解くのは新しく、主張に厚みがあった。モモを読んでみようと思う。

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著者プロフィール

福岡女子大学国際文理学部教授

「2024年 『捕鯨史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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