- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582733617
作品紹介・あらすじ
プラトン主義の歴史的変容を跡づけた5論文。
感想・レビュー・書評
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新書判の小体な本にしてはいささか高価、かもしれぬ。「入門書」というわけにもいかぬ。けれど、この中に詰まったものを考えたら、これは小さいけれどもたしかに見事な「多面体」だ。ちくま文庫『超短編アンソロジー』の解説に「哲学は詩に似ている」といったことが書かれていたが、「智を愛すること」が詩的でないわけがない、と、プラトンの「定義集」ぱらぱらと……。ついでにプラトン全集の隣に佇んでいたこの小さな本を、あらためて読み返してみた。ここで俯瞰することは難しいので、例によって以下に目次を羅列。哲学と詩におけるプラトン主義 プラトン主義をどう捉えるか プラトン主義と古代哲学 西欧キリスト教世界 プラトン主義と詩新プラトン主義 新プラトン主義とは何か プロティノスと新プラトン主義思想の形成 後期新プラトン主義の展開 後世への影響デモノロジー ギリシアとユダヤの伝統 新プラトン主義の伝統 ダイモンの変容ルネサンス・プラトン主義 受容と再生 プラトン主義者群像――フィチーノを中心に イタリアを越えて啓蒙期以降のプラトン主義 プラトン主義と啓蒙思想――ライプニッツからカントまで プラトン研究の深化と拡大 文学におけるプラトン主義各章の著者だけでなく、編集顧問・編集委員・編集・編集長…、20人近くにのぼる。日本語版も、各章の訳者に加えて編集委員が11人。…いずれにしても多面体です。訳者解説も、ためになります。ルネサンスの文学やルネサンスについて書かれたものなど、ちょっとまとめて読んでみようかな、などという気分になっているので、あらためて参照してみました。
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