生類をめぐる政治: 元禄のフォークロア (平凡社ライブラリー つ 1-1)

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582760187

作品紹介・あらすじ

犬を、鷹と鉄砲を、牛馬と捨子をめぐって、政治は、人間と自然、人間と人間の関係をどのように編成し直そうとしたのか。の意味を決定的に読みかえる新しい政治史。

感想・レビュー・書評

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  • <御犬様>政策は、将軍の単なる「愚行」だったのか?
    「諸国鉄砲改め」や、捨子・捨牛馬の禁止などを含む「生類憐み令」の真意とは。元禄時代と綱吉政権への見方を一新した名著。

    動物の殺生を禁じ、特に犬の愛護を強いて民衆を苦しめたとされる徳川五代将軍・綱吉。しかしそれは本当に将軍個人の思いつき=愚行にすぎなかったのか。「鉄砲改め」や捨子・捨牛馬の禁止などを含み「生類憐み令」と総称される政策が、当時の社会的要請に応えて発せられたことを論じ、「自然と人間の歴史」のなかで「元禄という時代」の意味を捉え直す。

  • 塚本学が亡くなったとのことで久しぶりに読み返す。
    悪法といわれる生類憐みの法は単なる動物愛護の法律ではなく、
    生命を尊ぶものであった、という内容。

  • いわゆる天下の悪法として理解されることの多い綱吉の生類憐れみの令。しかしこの本ではそれを近世社会における人間と自然との関係のあり方から鮮やかに位置づけ直してみせる。目から鱗が落ちます。

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著者プロフィール

塚本 学(つかもと まなぶ)
1927年 福岡県生まれ。東京大学文学部卒業。愛知県明治用水普通水利組合用水史誌編纂主任。愛知県立高等学校教諭。信州大学人文学部助教授、教授。国立歴史民俗博物館教授を歴任。同名誉教授。近世史を中心とする日本列島人類史を専門とした。2013年逝去。主な著書『生類をめぐる政治―元禄のフォークロア―』(平凡社[選書80]、1983年、平凡社[ライブラリー18]、1993年、講談社学術文庫2155、2013年)、『近世再考―地方の視点から―』(日本エディタースクール出版部、1986年)、『生き物と食べ物の歴史』(高志書院、2021年)等

「2022年 『歴史・民俗・博物館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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