海の国の中世 (平凡社ライブラリー)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 59
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582762242

感想・レビュー・書評

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  • 「よっしゃー網野善彦読んだる!」と思って最初に手に取ったのが「無縁・公界・楽」の方だったのだが、「言いたいことは分かるけど…何寝ぼけたこと言ってんのこのオッサン(失礼)」と思って放置していた。だけどある場所で「網野善彦氏の最大の成果は中世東寺領荘園の研究」と小耳に挟み、なんだ水物じゃない研究(また失礼)もしてるんじゃん、と本書を手に取った。しかし本格的な中世史の本なんて読んだこともなかったので一ページ進むだけで分からない言葉がいくつもいくつも出てくる。馬上免? 一色田? 雑掌? 本所? 預所?? ナニ??? ていうかそもそも何でお寺が土地なんか持ってんの?(←致命的)という調子でもういつ読み終わるんだろう…と辞書を引き引きダラダラ読んでいたら、三分の一ほど読んだ辺りから突然スッと内容が頭に入ってくるようになって、そのまま最後まで読破。読み終わる頃にはすっかり網野というか荘園史の魅力に取り憑かれてしまい「そうか、これが日本中世史なんだ!!!」と一人で興奮しきりだった。私にとってはそういう意味で記念すべき本です。

  • 第一章 荘園公領制と神人・供御人制の形成
    第二章 鎌倉幕府の成立と若狭の人々
    第三章 荘園・公領と浦・浜の実態
    第四章 モンゴル襲来と得宗専制
    第五章 南北朝の動乱

    著者:網野善彦(1928-2004、山梨県、日本史)
    解説:須磨千穎(1929-、福井県若狭町、日本史)

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著者プロフィール

1928年、山梨県生まれ。1950年、東京大学文学部史学科卒業。日本常民文化研究所研究員、東京都立北園高校教諭、名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授を経て、神奈川大学経済学部特任教授。専攻、日本中世史、日本海民史。2004年、死去。主な著書:『中世荘園の様相』(塙書房、1966)、『蒙古襲来』(小学館、1974)、『無縁・公界・楽』(平凡社、1978)、『中世東寺と東寺領荘園』(東京大学出版会、1978)、『日本中世の民衆像』(岩波新書、1980)、『東と西の語る日本の歴史』(そしえて、1982)、『日本中世の非農業民と天皇』(岩波書店、1984)、『中世再考』(日本エディタースクール出版部、1986)、『異形の王権』(平凡社、1986)、『日本論の視座』(小学館、1990)、『日本中世土地制度史の研究』(塙書房、1991)、『日本社会再考』(小学館、1994)、『中世の非人と遊女』(明石書店、1994)。

「2013年 『悪党と海賊 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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