オランダの個別教育はなぜ成功したのか イエナプラン教育に学ぶ

  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582824490

感想・レビュー・書評

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  • イエナプランの具体的な内容が知りたかったけど,歴史とかも多く飛ばし読み。これ読んでたら日本の教育は遅れてるな…って思ってしまう。何十人を一つの教室に入れて全員同じ速度で勉強して。一番ずっとモヤモヤしてるのは「わかりましたか?」「はい(小声)」「わかりましたか?!」「はいっ!(大声)」の流れ。聞いてない子だってきっといるけど,とにかく「はい!」って(笑)なんなんやろーって思ってしまう。でもなんかやってしまう。もっと本当はひとりひとりに合った教育ができたらいいのにって思う。もちろん現場では「一人一人を大切に」とか「個に応じた」とか大切にしているわけやけど。実際私自身はできてないと思う。イエナプランは個人に応じた教育と,ほんまのたて割り活動,共同活動,総合的な学習が実現されていて,すごいなあって思う。日本もイエナプラン導入すればいいのに…もちろん経済的に無理なんだろうけど。だからどうしようもないんだけど。イエナプランすごいな。

  • 教育の世界で自由化が叫ばれて久しいが一体誰が自由になったのか?本当に子どもたちは自由に学ぶことが出来る社会なのだろうか?この本を読みながらそのようなことを考えていた。管理、平等から自由へではなく、画一から個別へ。そのような転換が必要なのではないだろうか。子供の視点に立った教育が日本にはあまりにもない。教師の視点、行政の視点、親の視点から教育を知らず知らず語っているが、子供は置き去りなのだと思い知らされた。自分の凝り固まった固定観念に気づかせてくれた良書。

  • 試行錯誤しつつ、個別教育の導入を進めてきたオランダの教育の実情を、イエナプラン教育を軸として明らかにしようとする。この導入が進んだ前提が、国立カリキュラム研究所のような教材・カリキュラム開発制度にあるように思う。ならば、個別教育に即した教員養成や教材開発を実施しなければ、日本に蘭と同様の制度を導入するのは難しい。ただ、日本では班活動が学級において重要な位置を占めていることからすれば、カリキュラムや教材、異学年学級集団の重要視に違いがあるものの、日蘭を完全に異質・別物と見る本書の立場はやや皮相的か。

  • オランダでの教育改革が詳細に報告されている。画一的教育の反省から、70年代から80年代の10年をかけて、国民的議論を積み重ねて、個別教育の方向へ舵を切っていく。子どもの幸せ度、世界一の国。財界の利益に支配されない教育は実現可能である。

  •  オランダの個別教育がどのように行われているかをオランダで生活するリヒテルズ直子がまとめる。

     どのように実際に個別教育が行われているかが書かれているのでとてもイメージしやすい。集団教育による落ちこぼれをなくす為に個別教育へと舵をきったオランダ教育の歴史についてもふれられている。
     後半はその中の一つのイエナプラン教育について語られている。別の本でリヒテルズ直子が「ヨーロッパはそれぞれの教育のいい部分を取り入れることで進化している」と書いていたが、ドイツで生まれたイエナプランがオランダで発展している姿がその言葉を裏づけている。

     この本を読むと日本の総合の時間などの取り組みがオランダなどの教育改革をほんの一部分だけ取り入れて、その根底にある理念を取り入れてないのがよく分かる。個別で生徒主体の教育を日本でも本格的に取り組んでほしい。 

  • オランダのイエナプラン教育について具体的な教育風景や歴史などが書かれている。

    特徴としては
    リビングルームのような教室
    1クラスにマルチエイジの3学年の生徒がいる
    一人一人の理解度・進度にあった課題を自立学習する
    グループリーダーと呼ばれる先生が個別指導でサポートする
    調べるためのコンピューターや教材が豊富
    輪を作って話しあい、コミュニケーション力を養う
    ワールドオリエンテーション:一つのテーマを多角的に探求する

  • 読了

  • 「教育」の先に何があるのか

    数十年にわたって激しい議論を重ねてきたオランダの制度は、「国」そのものを育てているといえる

    『罪や怖れ、強制によって生み出される<よい行動>というものは、一人の人間である子供の個人的な生にとっては何の意味もないことであり、社会にとっても意味のないことである  ペーター・ペーターセン』

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著者プロフィール

リヒテルズ 直子 Naoko Richters
九州大学大学院修士課程(比較教育学)及び博士課程(社会学)単位取得修了。アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国に歴住後、1996年よりオランダに在住。オランダの教育及び社会について自主研究し、成果を著作・論考で発表。2011年3月、JAS(イエナプラン・アドバイス&スクーリング社)よりイエナプランの普及に貢献した人に贈られるエイル賞を受賞。「一般社団法人日本イエナプラン教育協会」特別顧問。日本での講演やワークショップ、シンポジウムのほか、オランダでは、日本人向けのイエナプラン研修や視察を企画・コーディネートしている。著書に『手のひらの五円玉 私がイエナプランと出会うまで』『祖国よ、安心と幸せの国となれ』(以上ほんの木)、『公教育をイチから考えよう』(日本評論社)、『今こそ日本の学校に! イエナプラン実践ガイドブック』(教育開発研究所)、共著に、『親子が幸せになる 子どもの学び大革命』『いま「開国」の時、ニッポンの教育』(以上ほんの木)など著書多数。子どもたちの「対話力、考える力」を引き出す『てつがくおしゃべりカード』『てつがく絵カード』(以上ほんの木)日本語版翻訳者。

「2020年 『イエナプラン 共に生きることを学ぶ学校』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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