いずみさん、とっておいてはどうですか: こどもの時間のモノ語り

  • 平凡社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582839074

感想・レビュー・書評

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  • いずみさんやわかばさんより下の世代ですが、自分の思い出と地続きの一冊です。メリーちゃんとマリーちゃんと同じ人形を妹が持っていました。自分は男ですが、友達がG.I.ジョーがうらやましくておねだりしたら、もちろん我が家では買えず、その代わりに母親が小さなぬいぐるみをつくってくれたこと、突然、思い出しました。それに探検隊みたいな洋服着せたり、忍者の衣装にしたりして、ボール箱で秘密基地つくって友達のリアルG.I.ジョーと一緒に遊んだこと、そして買ってもらえなかったこと全然引け目に感じなかったこと、なんか胸がいっぱいになります。まさに、おかあさん、ありがとうです。指人形も作ってもらったな。昭和30年代、40年代の母親のクリエイティブ能力、クラフト能力ってメチャ高かったんですね。でも、いずみさんの母親は「いずみさん、とっておいてはどうですか」ですが、引っ越しが多く、さらに断捨離に目覚めた自分の母親は「とっておいてどうするの」でどんどん消えてしまっています。紙と木の国の子どもの思い出遺産、一度、昭和のくらし博物館に行ってみないとな、と思いました。

  • 昭和のTVが来る前の子供達の時間の記録。
    紙の着せ替え人形、手作りの人形の洋服(おばあさま手製の編み物がすごい!)、手作りドールハウス、おはじき、おままごとセット、少し年が上になってこづかい帳、etc. すべて「あったあった」と懐かしい。よく捨てずにとっておいたものだと感心。

    p. 99の2回の部屋のイラストの電球のキースイッチ、窓のねじり締め錠、自分の生まれ育った家にもあって懐かしくて声が出た。

  • 高野文子さんの美しい線のイラストと共に、博物館に寄贈された、1950年代生まれのいずみさんの遊び道具や、日記を紐解く内容。
    昭和の遊び一般について広く網羅するのではなく、一個人の思い出の品をじっくり見ていくことで、より詳細に鮮明に当時の子供の遊ぶ姿や、生活が想像できました。
    お祖母さんと一緒に着せ替え人形用のお洋服を作ったり、人形遊びをしたり、雪だるま作りや、自作の劇など、日記と道具に残る遊びの内容の豊かさに驚かされます。
    そして、その当時の道具がいずみさんの母によって本当に大事に残されていたことがわかる素晴らしい保存状態…!
    まさにとっておいてくれたからこそ見られる、素敵な遊び道具と記録の数々に当時の子供たちと同じくらいワクワクしてしまうこと請け合いです!

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著者プロフィール

高野文子(たかの・ふみこ)
1957年新潟県生まれ。漫画家。1982年に日本漫画家協会賞優秀賞、2003年に手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。作品集に『るきさん』『おともだち』『絶対安全剃刀』『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』『棒がいっぽん』『黄色い本』がある。漫画作品の他に、絵本なども手掛ける。

「2022年 『増補 本屋になりたい この島の本を売る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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