スキャンダル戦後美術史 (平凡社新書)

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582853452

作品紹介・あらすじ

戦時中に描かれた戦争画と画家の責任問題から、後を絶たぬ贋作の横行と絵画のバブル商品化、日本各地に数多く創設された美術館の経営危機、そして、東京芸大が抱える非芸術的な受験現象まで、戦後の美術界は、金と欲と権威主義が絡んだスキャンダラスな出来事に事欠かない。世を騒がせた「アートシーン」の背景を読み解き、この国の美術のあるべき姿を問う事件簿。

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    戦時中に描かれた戦争画と画家の責任問題から、後を絶たぬ贋作の横行と絵画のバブル商品化、日本各地に数多く創設された美術館の経営危機、そして、東京芸大が抱える非芸術的な受験現象まで、戦後の美術界は、金と欲と権威主義が絡んだスキャンダラスな出来事に事欠かない。
    世を騒がせた「アートシーン」の背景を読み解き、この国の美術のあるべき姿を問う事件簿。

    [ 目次 ]
    第1章 戦争画家たちの戦後処理
    第2章 贋作に振り回される人たち
    第3章 前衛アートは徒花だったのか
    第4章 絵画バブルの宴のあと
    第5章 終焉を迎えた「美術館の時代」
    第6章 芸術大学の非芸術的騒動

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    [ 参考となる書評 ]

  • 博物館や美術館に展覧会を見に行くのは好きだが、芸術は門外漢
    である。巨匠と言われる芸術家の名前はある程度知ってはいるが、
    芸術界のことなど丸っきり分からぬ。

    それでも、本書が取り上げているのが「スキャンダル」なので面白く
    読めた。

    戦犯画家として日本を追われたという藤田嗣治のパリへの脱出の裏話。
    その藤田を始めとした戦争協力の為に多くの戦争画を生み出した画家
    たちの、自分の身だけを考えた軍部への積極的な関わりは興味深い

    そしてなんといっても面白いのは、尽きることのない贋作事件だ。
    金目当ての贋作製作は勿論のこと、練習として描いた師の模写絵が
    画商の手によって贋作に生まれ変わる。

    それだkではない。物故作家の未発見の作品が大量に世に姿を現すと、
    現存している作品の価値が下がる為に「贋作だ」と決めつける風潮もある。

    芸術作品なんて、価格があってないようなもの。だから、バブル期の
    ように純粋に芸術作品として楽しむのではなく、投資の対象になるの
    だろうね。

    本書では東京大学に並ぶ芸術の最高峰・東京芸術大学での派閥抗争や、
    その受験戦争にまで触れている。全編、興味深く読める良書である。

    学歴社会だ、権威主義だ、なんていろんなところで言われるけれど日本の
    芸術界が最も権威主義が幅を利かせている世界なのではないだろうか。

  • 未読。

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著者プロフィール

ルポライター。1948年、茨城県生まれ。中学卒業後、東京で集団就職。調理師、ギター流し、地方新聞記者、編集者など二〇数回の転職を経験。政治、教育、社会問題など幅広い分野で取材、執筆活動をつづける。主著に『ひとりビジネス』『スキャンダル戦後美術史』(以上、平凡社新書)、『さよなら、東大』(文藝春秋)、『デカセーギ──漂流する日系ブラジル人』『お騒がせ贋作事件簿』(以上、草思社)、『「金の卵」転職流浪記』(ポプラ社)などがある。

「2009年 『できる奴はIC(インディペンデント・コントラクター)になる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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