- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582855661
作品紹介・あらすじ
黄表紙『御存商売物』のおはなしは、赤本、黒本、青本、洒落本、柱隠しに一枚絵、吉原細見、咄本…江戸の出版物が人の姿で総登場する、娘かどわかしのてんやわんや。絵の謎を解き、地口やしゃれを十分に味わうとき、草紙が息づく都市江戸の文化が見えてくる。
感想・レビュー・書評
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山東京伝作『御存商売物』を元に、江戸の出版文化をわかりやすく解説した書。
主として黄表紙の特性が書かれているが、『御存商売物』に出てくる草紙類や書物類、絵などのことも書かれていて良かった。
川柳も複数紹介されていて面白かった。
京伝の絵の細かさと設定の巧さは素晴らしい……!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サブタイトルの「黄表紙で読む江戸の出版事情」が本書の内容をコンパクトに伝えている。
取り上げられている黄表紙は、山東京伝(さんとうきょうでん)の
『御存商売物』(ごぞんじのしょうばいもの)。
この作品には、江戸で流通していた様々な出版物がキャラクター化
されて登場する。
今でいうと、あんぱんを擬人化してあんぱんマンとか、
メロンパンナちゃんとかいったノリだろうか。
一見子供だましに思える単純なストーリーでありながら、
高い教養と当時の流行に通じていないとわからない、高度な
ユーモアが散りばめられている。
自分の力だけで読もうとすると、ハードルが高すぎて面白さを
十分に味わえないけれど、鈴木先生の的確な解説のおかげで、
楽しく鑑賞することができる。
そのうえ、江戸の出版事情や文化的生活的背景まで、同時に
学ぶことができてしまう。
1粒で2度おいしく、電車の中でも気軽に読める。
新書だから持ち重りしない。
現代教養文庫の『江戸の戯作絵本』全6巻(絶版)のように
シリーズ化されたらいいいなと思う。 -
山東京伝の黄表紙「御存商売物」を読み解きながら、江戸の出版事情を解説する。わかりやすいし、よくできてる一冊。
パロディとか戯作とか、知ってる人がより楽しめる文化は、根強いものです。 -
江戸時代の本…ってどんだけお堅いの?
ってイメージでしたが、意外にもおもしろかったww
なるほど、色んな『隠しネタ』を見つけてはニヤニヤするのが江戸人なりの『通』ってやつなのか! -
「江戸の紀行文」にも触れられている「黄表紙」という本、本書ではまず組み合わされた絵の情報を読み解くとその楽しさが判るといいう。その「黄表紙」から江戸時代の空気を感じ取ろうとする。