農業消滅: 農政の失敗がまねく国家存亡の危機 (979;979) (平凡社新書 979)
- 平凡社 (2021年7月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582859799
作品紹介・あらすじ
日本の農業はいま、どのような危機にさらされているのか。TPPなどの自由貿易のあり方や、他国との農業政策の違いを交えつつ、日本の農業の問題点とその解決策を探っていく。
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感想・レビュー・書評
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農業弱体化の仕組みの解説
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なかなか刺激的な本でした。遺伝子組換えや補助金の実際のところを知りたい(まぁ、アメリカの農業補助金の制度など簡単に知りえないし、背景など含めて一般人には分からないから、色んな人がそれぞれ好きなことを言うんでしょうが)と思いました。これをきっかけに、いろいろ調べてみたいと思いました。
少々強引な引用が星一つ減、といったところでしょうか。 -
日本の農業の問題点がよく分かりました
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フードシステムについては、もっと関心を持っていく必要があると思う。今は見えていないし、不自由を感じていないが、知らぬ間に、一気にツケがくるような気がした。
適正価格で買い求め、生産者にはさらに国に補助をしてもらうことで、安心、安全な食べ物を食べ、豊かに暮らし続けることができる。そのためにもネットワークづくりが大切。 -
これから、農作物を買うときは、値段よりも「これを購入したら生産者さんを助ける」ことを意識したいと思った。
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農業がこの先すぐに消滅するか、といわれるとそんなわけないのだが、就農者の高齢化、気候変動、燃料/輸入肥料・資材の高騰、種苗改正と自家採種・開発品種の権利保護、輸入農産物の安全性、またコロナ禍による米価下落と保証システムの落とし穴(普通に運用すれば、最低価格ラインもなく漸減していく危険あり)などトータルで考えれば、近い将来この国に飢餓が発生する可能性はゼロではない。
筆者は農業経済を研究し、FTA交渉の最前線に立ち、農業政策立案の政府ブレーンとして働いた経験から、他国相対的で決して保証が手厚いわけではない農業政策の問題点を指摘する。アメリカが大規模効率化とともに手厚い収入保証、コロナ禍における手厚い買上げ制度により自国農業を保護し、圧倒的物量で世界も穀物市場を手中に収めている。
筆者の主張はとてもシンプルである。市民の生命の安全保障、その一番のフロントラインは食料の安定供給である、という大前提。
だからこそ、これを公共支出によって下支えし、地域が自立した農業経営を行って食料の安定的な域内自給を推進すべし。そのためには輸入農産物の関税率を適正レベルに持ち上げ、コモンズとしての種を営利企業だけに任せることには留保が必要だ、と主張する。
一次産業は補助金が手厚いから競争が発生せずに、産業として衰退する、という論は、はたして正しいか、と言われると半分正解、半分間違いだと思う。意欲的なチャレンジ、合理化は必要だが、コモンズの独占、寡占による安全保障の危機を招かないための介入は必要。筆者曰くその水準も十分ではない。
筆者はおわりに、地域における循環型農業推進の必要性を説く。
「根本的には、都市への人口集中という3密構造そのものを改め、地域を豊かにし、地域経済が観光や外需に対して過度に依存しないで、地域の中で回る循環構造を強化する必要がある。
地域に働く場をつくり、生産したものを消費に結びつけて循環経済をつくるには、農林水産業こそが核になる。
農林水産業が元気な上に、地域の環境や文化が守られなくては、観光業も成り立たない。ましてや、政府が掲げる農作物輸出額5兆円という目標が実現できるわけがない。足元を見ずに、“観光だ、インバウンドだ、輸出だ”と騒ぐのは本末転倒であろう」p.221
まずは強い農林水産業、これが基本になくてはやがて地域は立ち行かなくなる。観光も住民福祉も、もとを辿ればすべて一次産業の根ざしている、と思う。
農政にコミットするにはあまりに遠いけれど、現場で考える限り策を練り、ときに体を張って、これまでつながってきた土地の歴史をつないでいきたい。
当たり前が当たり前でなくなるかもしれない、コモンズの議論をすっ飛ばした市場原理主義の行き着く先は、たぶんそういう荒野なのだとすれば、私たち一人ひとりが身近な大地にまずは種をまいてみる、ということが、世界をよくするための、誰も傷つかない抵抗を可能にする、英雄的な行為かもしれない。
と、思ったり。 -
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KC>経営企画室>全グループ会社>05.読書会 -
自由競争が駄目な理由がわからない。補助金をばら蒔けば良いのか。旧来の発想。糞みたいな本。読む価値無し。