台湾有事: 米中衝突というリスク (987;987) (平凡社新書 987)

著者 :
  • 平凡社
3.50
  • (0)
  • (5)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 62
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582859874

作品紹介・あらすじ

台湾をめぐって米中間で軍事衝突が起きるリスクが高まっている。有事の際には、日本も無関係ではいられない。米中双方の思惑など台湾を取り巻く情勢をわかりやすく解説する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  著者はラジオ局記者で、政治や外信報道の経験はあるも、特に安全保障専門というわけではないようだ。そのためか表層的かとも感じる。「空自のP-3C」で「空自幹部」がソノブイや潜水艦対処を説明するのかは疑問。
     一方で分かりやすいということでもあり、本省人と外省人の違いにはじまり香港や新疆、米大統領選、アフガン撤退、北朝鮮など基本から幅広く解説。内容も概ね妥当と感じる。
     ただ、台湾有事を書名に銘打つなら本島攻撃か離島かなど、より詳細に分析しても良かったと思う。また、3度の米朝首脳会談で北朝鮮が米の「仮想敵国」から外れ、金正恩の方が得たものは遥かに多かったとの指摘には疑問。

  • ジャーナリストが台湾を巡って米中が衝突するリスクと我々日本人がどうすべきかを語る。
    蔡英文や習近平、バイデンがどのようなどのような半生を歩んできたかといったことにもだいぶ分量が割かれている。ジャーナリストらしいコラムの中身も面白い。

  • どちらかといえば各国の大統領など「人」に焦点を当てて書かれているように感じた。

    個人的には『自衛隊最高幹部が語る台湾有事』の方が読んでいて面白かった。

  • 日本人は日本という国家を真剣に守るつもりがあるのか。
    今、日本ほど難しい立ち位置にいる国はないと思う。
    日本は確かに平和だ。国内だけ見ていれば、そこそこ経済大国で、治安もよく、国民も穏やかだ。
    だから今後もずっとその状態が続くと思ったら、それは浅はかとしか言いようがない。
    周辺国の状況がここまで不安定化していると、日本は確実に巻き込まれる。
    自ら戦争を仕掛けることはあり得ないが、仕掛けられたどうするのか?
    仕掛けられないまでも、巻き込まれたらどうするのか?
    そういう一つ一つが「想定外」では済まされない。
    たった一つの判断ミス、対応ミスによって国民の命が脅かされる可能性があるのだ。
    国民自身が、もういい加減に他人事ではなく、自分事として考える必要がある。
    台湾有事は「ある・ない」の議論ではない。
    確実に訪れる危機であって、それが「いつか」ということだけだ。
    残された時間は少ない。
    本書にも書かれているが、習近平国家主席は「勝てる」という目算が立った段階で確実に実行に移してくるだろう。
    それだけとにかく機会を伺っている。
    敵は勝つためにあらゆる準備を着々と進めている。
    軍事力の増強然り、法整備然り、サーバー攻撃の準備然り、国民の支持然り。
    まさに将棋や囲碁の対局のように、一手一手着実に指してきている。
    さて日本はどうする?
    パスは許されない。パスすれば敵は二手連続で駒を進めて更に有利に事を進めるだけだ。
    アメリカという同盟国に意見を求める?それもいいだろうが、そんな他人任せでいいのか?
    アメリカにとって有利な手は教えるかもしれないが、それが果たして日本にとって最善の手なのか?
    もっともっと自分たちが自分たちのこととして真剣に議論しなければいけない。
    そして実際、すでに議論に時間をかけている余裕はないと言える。
    事は対台湾、対中国だけではない。
    北朝鮮という核保有国も一体何を考えているか計り知れない。
    さらにロシアもウクライナ侵攻の状況を見ていると、絶対に信用してはいけない国だ。
    同盟と見るべき韓国は、反日感情の煽りで、とても連携できる状態ではない。
    実際考えても、今日本ほど難しい立ち位置にいる国もないのではないかと思う。
    国防は当然に国を守ることであるが、今の日本の体制ではとても万全とは言えない。
    日本側に戦う気が無いとしても、巻き込まれた際は戦うしかないのである。
    まずは守りをどうするのか。どういう体制を整えることが、今出来ることなのか。
    防衛費を増額すべきなのかどうなのか。
    憲法9条に縛られて、対処が出来ないことが多い。このままでいいのか?
    核は本当に持っていなくていいのか?それで抑止できるのか?
    その上で、今後周辺国とどう付き合っていくべきか。
    どうすれば一番の国益につながる外交となるのか。
    あまりにも複雑に絡み合っていて、これら回答を導き出すのは相当に難しいだろう。
    中国がGDP世界一となり、軍事力も世界一となった時に、何を仕掛けてくるか。
    その際に、日本は中国と敵対するのか、それともアメリカとの関係を見直すのか。
    そこにロシア、北朝鮮、韓国の動きも相まっての判断を迫られる。
    その時に日本の経済状態はどうなっているのだろうか。
    まだまだ日本という国が戦える体力が残っているだろうか。
    「富国強兵」とはよく言ったもので、軍事力だけでなく経済力も実際必要なのだ。
    日本がいつまでも安全とは到底思えない。
    自分たちの国は自分たちで命を懸けて守る。
    当たり前のことを当たり前に行うだけなのだ。
    (2022/3/19)

  • 台湾有事について浅く把握するにはいいかもしれないが、あんまり深い話はない。
    「筆者はこう見る」みたいな言い回しが多用されてるけど、それ別のところで既に別の人が言うとったで。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

政治・教育ジャーナリスト、大妻女子大学非常勤講師。1962年愛媛県生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。京都大学大学院法学研究科博士課程単位取得満期退学。文化放送入社後、政治・外信記者を経てアメリカ留学。帰国後、ニュースキャスター、江戸川大学講師、報道ワイド番組チーフプロデューサーを歴任。
現在は、文化放送報道デスク、京都大学現代政治研究会研究員、学びの未来研究所研究員。「父親力」の提唱者として知られ、執筆や講演も多い。
著書は、ベストセラー『頭のいい子が育つパパの習慣』(PHP文庫)をはじめ、『子どもの才能を伸ばすママとパパの習慣』(講談社)、『中学受験――合格するパパの技術』(朝日新書)、『「これからの学力」は親にしか伸ばせない』(青春出版社)、『ラジオ記者、走る』(新潮新書)、『安倍政権の罠 単純化される政治とメディア』(平凡社新書)、『すごい!家計の自衛策』(小学館)ほか多数。
公式ホームページ http://k-shimizu.org/

「2021年 『子育て2.0』 で使われていた紹介文から引用しています。」

清水克彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×