新中国論: 台湾・香港と習近平体制 (1005;1005) (平凡社新書 1005)
- 平凡社 (2022年5月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582860054
作品紹介・あらすじ
香港と台湾に対してかつてないほどの強硬な姿勢を見せる中国。いま、中国に何が起きているのか。中国という国家の本質を、台湾と香港を介してみた新しいかたちの中国論!
感想・レビュー・書評
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読みやすいが、事象や背景の解説と著者の思いが半々、また台湾・香港という共通点はあれど同一ではない対象を同時に扱うので話があちこちに飛ぶため、ある程度の予備知識がある人向けかと思う。
2010年代半ば以降、ひまわり運動に雨傘運動、蔡英文政権誕生などの要因で習近平政権側の政策は硬化、そして2019年以降は台湾と香港の問題はグローバル化した、との著者の視点がある。また2000年を分水嶺とした日本人の中国観・台湾観の変化も解説。
台湾では国民党=外省人=親中派、民進党=本省人=独立派という二分法ではなく、「政策的幅」の中で台湾の利益が一番、との指摘がすっきりした。また両岸三地で、かつては魯迅や金庸のような「文化中国」の連帯があったが、今は芸能人も映画も政治化の中で分断された、との指摘も新鮮だった。
ただ、「中国(人)は○○だ」といった言い切り断定の多用が読んで気になった。学術書ではないし内容自体が変とは思わないが、どこまで単純化が可能なのか。 -
今日の香港は明日の台湾。
ウクライナとロシアをめぐる情勢は、明日の日本と中国の関係になるかもしれない。そんな漠然とした危機感から手にした本。
中国化する香港に私が出来ること、それは意識を寄せることだけかもしれないけど、重要だと信じている。 -
はじめに
第1章「台湾化」と「香港化」の狭間で
第2章 なぜ台湾と香港は中国にとって「特別」なのか
第3章 中国指導者にとっての台湾・香港問題
第4章 台湾・香港にとっての「中国」と本土思想
第5章 失われた「文化中国」の連帯
第6章 グローバル化する台湾・香港問題
第7章 日本は台湾・香港にどう向き合うべきか
第8章 台湾・香港は「坑道のカナリア」
付録:2021年の「歴史決議」で記された台湾・香港問題
関連年表
参考文献