南洋の日本人町 (1007;1007) (平凡社新書 1007)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582860078

作品紹介・あらすじ

経済的事情から家族のため海を渡った「からゆきさん」たちを中心に、日本町を築いた山田長政や明治の「南進論」のもと第二次世界大戦まで諜報活動を担った人々の足跡を辿る。

感想・レビュー・書評

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  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1408013

  •  明治期以降又は鎖国以前に東南アジアで形成された日本人町8か所について。歴史の解説と、著者の現地訪問時のコラム風の内容が半々。
     明治期以降の最初期に渡航した日本人にはからゆきさんが多かったのは複数の地で共通。昭和期には軍・戦争の影響を直接間接に受ける。民間人も日本軍の情報機関に協力したり。藤原機関はともかく、甘粕機関も中国から東南アジアまで拡大していたとは初めて知った。
     鎖国以前の日本人町は、文献はともかく現在の痕跡はほとんどない。戦前の子供のかるたや山下奉文の発言に山田長政が使われていたりと、南進論の中で先駆者として意識はされていたのか。
     なお、著者が思いついたとする地の文の内容と、別の箇所での他者の発言の引用がほぼ同じだったり、日常生活に宗教が同居するのを「稲作民族の特性」としたり、中東や北アフリカのイスラム諸国はサンダカンと異なりトゲのある表情の人間が多いと述べたり、著者は比較文明論の研究者にしては不用意と思える記述があった。

  • いまいち。久しぶりに途中で読むのをやめた本。図書館で借りてきた本でよかった。

    描き出す対象にとても興味があって手に取ったものの、厳密な歴史学的な考証に基づいているわけではなく、かといってルポルタージュ的な面白さもない。立ち位置が中途半端すぎる。
    文章の途中でいきなり現地に飛んでいたかと思えば、突然歴史的な記述が続く。全体に哀愁が漂っている文章からは、著者の思いはにじみ出ているが、読みにくくて仕方がない。

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著者プロフィール

太田 尚樹:1941年東京生まれ。東海大学名誉教授。専門は比較文明論。著書に、『パエリャの故郷バレンシア』(中公文庫)、『満州裏史─甘粕正彦と岸信介が背負ったもの』(講談社文庫)、『死は易きことなり─陸軍大将山下奉文の決断』(講談社)、『伝説の日中文化サロン 上海・内山書店』(平凡社新書)、『満州と岸信介─巨魁を生んだ幻の帝国』(KADOKAWA)、『ヨーロッパに消えたサムライたち』(ちくま文庫)、『満洲帝国史─「新天地」に夢を託した人々』(新人物往来社)、『支倉常長遣欧使節 もうひとつの遺産─その旅路と日本姓スペイン人たち』(山川出版社)などがある。

「2022年 『南洋の日本人町』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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