- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582860078
作品紹介・あらすじ
経済的事情から家族のため海を渡った「からゆきさん」たちを中心に、日本町を築いた山田長政や明治の「南進論」のもと第二次世界大戦まで諜報活動を担った人々の足跡を辿る。
感想・レビュー・書評
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https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1408013詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
明治期以降又は鎖国以前に東南アジアで形成された日本人町8か所について。歴史の解説と、著者の現地訪問時のコラム風の内容が半々。
明治期以降の最初期に渡航した日本人にはからゆきさんが多かったのは複数の地で共通。昭和期には軍・戦争の影響を直接間接に受ける。民間人も日本軍の情報機関に協力したり。藤原機関はともかく、甘粕機関も中国から東南アジアまで拡大していたとは初めて知った。
鎖国以前の日本人町は、文献はともかく現在の痕跡はほとんどない。戦前の子供のかるたや山下奉文の発言に山田長政が使われていたりと、南進論の中で先駆者として意識はされていたのか。
なお、著者が思いついたとする地の文の内容と、別の箇所での他者の発言の引用がほぼ同じだったり、日常生活に宗教が同居するのを「稲作民族の特性」としたり、中東や北アフリカのイスラム諸国はサンダカンと異なりトゲのある表情の人間が多いと述べたり、著者は比較文明論の研究者にしては不用意と思える記述があった。 -
いまいち。久しぶりに途中で読むのをやめた本。図書館で借りてきた本でよかった。
描き出す対象にとても興味があって手に取ったものの、厳密な歴史学的な考証に基づいているわけではなく、かといってルポルタージュ的な面白さもない。立ち位置が中途半端すぎる。
文章の途中でいきなり現地に飛んでいたかと思えば、突然歴史的な記述が続く。全体に哀愁が漂っている文章からは、著者の思いはにじみ出ているが、読みにくくて仕方がない。