イスラム国「世界同時テロ」 (ベスト新書)

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  • ベストセラーズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584125007

作品紹介・あらすじ

テロリズムは感染症に似ている。いったん流行すると、次々に伝播して模倣する者が続出する。その熱情はしばらくテロリストたちのモチベーションを扇動し、容易に収束することはない。伝染病の爆発的流行、すなわちパンデミックの現象に似ているのだ。現在、猛威を振るっているイスラム・テロの宿主は、もちろんISにほかならない。今後、アジアを含む世界のイスラム圏、もしくはイスラム社会が存在する十字軍の国々(欧米諸国)であるならば、どこでも外国人を狙ったテロが発生するだろう。外国人がいそうな場所が必ず狙われるが、そうした場所には当然、日本人もいる。つまり、海外にいる日本人への脅威度は、確実に増している。

感想・レビュー・書評

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  • ISISの今だけじゃ無くて、始まりから振り返ることにより、彼等の三つの主戦場(イラク&シリア、リビアなどのイスラム圏、世界各地)における活動を分析している。
    ISISには、領域を確保している武装勢力という側面と、イスラム過激派に訴えかけることにより、各地でのイスラム過激派を活性化させているインフルエンサーとしての側面、そして、組織に属さないローンウルフ候補を刺激し、ローンウルフとしてしまう側面があり、ムスリムと彼等を分断することと、ISISの活動を直接叩きつぶすことの両方が必要である。
    また、彼等の増長を招いたのは、自国民を虐殺することにより、ISISの台頭を許したアサド、アサド政権を支持し、安保理決議を阻止し続け、更にシリアに直接軍事介入してるプーチン、及び、『レッドライン』を設けたにも関わらず、ISISが化学兵器を使用しても介入せずにシリア国民を見殺しにし、状況の悪化を招いたオバマ合衆国大統領にあるとしている。
    筆者の見解には意見を同じくする物である。

  • ISを中心に、イスラム過激派によるテロ活動を概括し、テロとどう戦うべきかを提言する。
    特に、ISへと至る系譜の解説(5章、6章)は勉強になった。

    IS勃興の原因は、アサドによる弾圧とイラク政府によるスンニ派弾圧にある。プーチンはそのアサドを援助し、オバマはシリアに軍事力を派遣するのが遅すぎた。

    とはいえ、IS自体は現在劣勢気味であり、日本でのテロの危険性も大きくはない。帯の煽り文と全然違うじゃないか。

    しかし、シリア人女性と結婚している日本人もいるんだね。

  •  ISの形成過程,他の過激派組織との関係,周辺国の関係,ロシアとアメリカの罪など,非常に分かり易く書かれてある。
     日本は一歩進んで考えるべき時期にきているとの指摘が印象に残る。

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著者プロフィール

黒井文太郎(くろい ぶんたろう)
1963年、福島県いわき市生まれ。横浜市立大学卒業後、講談社入社。週刊誌編集者を経て退職。フォトジャーナリスト(紛争地域専門)、『軍事研究』特約記者、『ワールド・インテリジェンス』編集長などを経て、軍事ジャーナリスト。ニューヨーク、モスクワ、カイロを拠点に海外取材多数。著書に『イスラム国の正体』(KKベストセラーズ)、『イスラムのテロリスト』『日本の情報機関』(以上、講談社)、『インテリジェンスの極意!』(宝島社)、『本当はすごかった大日本帝国の諜報機関』(扶桑社)、『ビンラディン抹殺指令』(洋泉社)他多数。

「2020年 『新型コロナで激変する 日本防衛と世界情勢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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