- Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
- / ISBN・EAN: 9784585071037
感想・レビュー・書評
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ナルホド~と思う点が多々あって、読んで良かったと思える一冊。
美術館・博物館関係者の多くがこういう考え方なら、もっと身近で魅力ある館になるのだろうな~と、期待感が膨らみました。
次から美術館に行ったら、見方が今までとは変わってくることは確かです。
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いい本です。タイトルが秀逸。しかし内容もタイトル負けしておらず、美術館の運営者側からの視点が新鮮でとにかくおもしろく読めました。なんといっても板橋区立美術館をはじめ、様々な美術展に行ってみたくなりましたよ。
いかにして集客アップにつなげるか、の創意工夫がおもしろく、今まで自分が見に行った美術展のことを思い返してみて腑に落ちる部分も多かったです。これから見に行ったときは視点が変わりそう。
仲でも一番印象深かったのは引用部分。ほいほいと気楽に見に行くこちらの覚悟をも問われているような気持ちになり、少々身が引き締まる思いがしました。
もちろん作者さんはもっと気軽に美術に触れて欲しいと考えられているので、そんな重ーい感想を持つのは意に反しているのでしょう。が、そうはいってもやはり見る側としても一応心に留め置く必要があるのではないかと思います。
いい本でした。去年行けなかった美術展あれこれを思い出しては地団駄踏んでしまうくらいです。 -
学芸員課程「博物館経営論」のレポートを書くために読み始めた本だが、著者の、一人でも多くの人に美術館に足を運んでもらいたい、という並々ならぬ情熱に感動さえ覚えた。
ミュージアムは広く社会に開かれた文化施設。一流の美術品を数多く収集しただけで自己満足に陥ってはいけない。多くの人に来てもらい、多くの人に楽しんでもらってナンボだっていうこと。この考え方には共感する。 -
いわゆる日本の一般の人々に人文社会の基礎知識があまりにもなくてめまいがすることがある。けれども相手にしなければ、これからの人文系の学問は死んでしまうであろう。美術館は、多くの人文社会の研究が酸素不足になるぞとカナリアの役割を果たしているようだ。この美しいカナリアを死なせてはならないだろう。