司書のお仕事―お探しの本は何ですか? (ライブラリーぶっくす)

著者 :
  • 勉誠出版
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本棚登録 : 428
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784585200611

作品紹介・あらすじ

味岡市立図書館に、新人司書として採用された稲嶺双葉(いなみねふたば)。
そこで待っていたのは、蔵書目録の作成や、本の受け入れ作業、イベント企画……と、次々に押し寄せてくる「司書のお仕事」だった。
双葉は、先輩司書の花崎智香(はなさきともか)や、山下麻美(やましたあさみ)の助言を受けながら、一人前の司書として成長していくことになる。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルに『司書のお仕事』と銘打つだけあり、貸出業務やレファレンス以外の図書館の業務について、いろいろ新しく知れました。図書館の本の管理用のソフトの話とかしてる本って、あまりないんじゃないかな。

    『司書のお仕事』は図書館の業務を、お仕事小説+図書館ならではの日常の謎の形式に落とし込んだ一種のライトミステリ小説といった感じ。
    ただ、先に書いたように結構専門的な話が出てきたり、ストーリーの間に図書館業務についてのコラムが挟まれたりと、図書館司書の具体的な業務の様子が描かれます。

    なので司書に興味のある人、特に実際に図書館で働いてみたいという人には、具体的に業務が想像できそう。そもそものこの本の目的も、そこが狙いみたいだけど。

    個人的に面白かったのは、本の分類の話。図書館の本の開架って、ジャンルごとに分けられていて、そのジャンルでも例えば歴史なら、日本史・世界史だけでなく、各国や地域の歴史に分けられ、さらに、古代、中世、近代と細かく区分けされ並べられています。

    そのため、利用者はその分類場所に行けば、調べたいことの大まかな本は見つけられます。でも、この分類、実は図書館によって微妙に違うそう。
    一概に一つのジャンルに区分できない本。例えば心理学なのか脳科学なのか。あるいは、歴史と地理の話だったらどちらのジャンルに区分するか。こういったことは、各図書館が本の内容や、利用者の傾向などを考え決めているそう。
    この手の区分って一律的に決められているものだと思ってたので、それぞれの図書館で個性があることに面白さを感じます。

    選書の話も面白かった。新たに図書館に入れる本を選ぶのって楽しそうだな、と前から思ってたけど、本の内容であったり、現在の蔵書であったり、利用者の声であったりをバランスを考え、ありとあらゆるジャンルにアンテナを張り、会議で提案する。
    こう書くと大変そうだけど、やっぱり面白そうにも感じてしまいます。

    他の図書館との連携やイベントの開催など派手なもの(?)から、本に保護フィルムや、シールを張ったり、学校などが出した冊子の保存、さらには古文書のような本を解読し、内容を整理したりと、なんとなく知っていたことから、こんなことまでやっているのか、というものまで興味深く読めました。

    小説の内容としては、三章ともそれぞれ広義の本探しの話なのですが、単にレファレンスで解決できるものではなく、図書館の知識を生かしたものであったり、専門的な業務と関係していたりと、つなげ方が面白く読むことが出来ました。

    こうして読んでると、司書ってやっぱりいいなあ、とも思うのですが、休日に関してはサラリと厳しいことが書かれていたような記憶もあったりなかったり……。司書という仕事はある程度、本や図書館と心中する覚悟は必要なのかも(苦笑)

  • 司書を目指す人に向けた本。自分も司書の仕事を知りたくて借りた。
    ストーリーも面白くできていた。図書館現場の写真もちょいちょい差し込まれていて、読みやすかった。

  • 大学で司書資格を取るために勉強中です。
    そんな時に図書館でこの本を見つけて借りてみました。
    主人公の稲嶺双葉さん視点でストーリーが進んでいきます。
    NDC分類や本の選書、レファレンス・サービスについて楽しく知っていくことが出来ました!
    特に、司書にとっての「花形」であるレファレンス・サービスは
    私もとても憧れます!

  • 新人司書の主人公を通して、司書に仕事を紹介してくれる1冊。
    仕事内容に重きを置いているらしいので一度読んでみたかった。
    私自身まだ読んでいませんが、司書を目指す方・知りたい方はぜひ!
    (正規の司書希望さんのおすすめコメント)

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00538832

    司書のお仕事2ー本との出会いを届けます(ライブラリーぶっくす)

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00552562

  • 小説としては稚拙ながら、司書の日々の仕事の様子がよくわかる本。ラノベ的なノリが滑ってる感があるが、司書の仕事に興味がある中高生にはいいかもしれない。

  • 司書の仕事を物語でわかりやすく。教科書の内容や講義だけではわからない実際の現場。カウンター、レファレンス、本の受け入れ作業、イベント企画、蔵書の管理…。やろうと思えばいくらでもどこまででもやれてしまうから超絶忙しいけどそれがまた楽しかったりするんだろうね。

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1301299

    ※電子ブックはこちら↓
    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000061649

  • 図書館司書の仕事はどんなものなのか、知ってみたくて購入しました。
    NDC分類やレファレンスサービスなど、司書特有の用語を知ることができ、仕事の様子も小説を通して学ぶことができました。
    やや読みづらいところもあったのですが、自分の勉強不足もあると思います。
    司書のことを知るうえでは、とてもいい参考になりました。

  • 小説という形を取りながら、司書の仕事がわかる内容になっていて、思っていたより楽しめました。

  • 「味岡市立図書館に、新人司書として採用された稲嶺双葉(いなみねふたば)。
    そこで待っていたのは、蔵書目録の作成や、本の受け入れ作業、イベント企画……と、次々に押し寄せてくる「司書のお仕事」だった。
    双葉は、先輩司書の花崎智香(はなさきともか)や、山下麻美(やましたあさみ)の助言を受けながら、一人前の司書として成長していくことになる。」

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著者プロフィール

1978年、新潟県生まれ。作家、成蹊大学文学部准教授。専攻は日本近代文学。小説に『遥かに届くきみの聲』(双葉社)、『小説 牡丹灯籠』(二見書房)、著書に『言語と思想の言説――近代文学成立期における山田美妙とその周辺』(笠間書院)、『中高生のための本の読み方――読書案内・ブックトーク・PISA型読解』(ひつじ書房)、共編著に『ライトノベル・フロントライン』全3巻、『小説の生存戦略――ライトノベル・メディア・ジェンダー』(いずれも青弓社)など。

「2023年 『落語と小説の近代 文学で「人情」を描く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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