- Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784586085347
作品紹介・あらすじ
今ではだれも来ることがなくなった村の教会。そこには小さなオルガンがうち捨てられていました。季節は巡っても、オルガンはずっとひとりぼっちです。いろんな人が来てはオルガンを弾いていきますが、自分の思うような音色が出せません。
感想・レビュー・書評
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リード・オルガンを主人公にしたステキな絵本が誕生した。村の古びた教会に何年も放置された「ひとりぼっち」のオルガンが、さまざまな出会いを通して自らの存在価値を問う切なくも心温まるストーリー。
オルガンはつぶやく。「生きる意味がわからないのです。わたしはでたらめな音を出します。また曲を奏でても、それを利用する人がいます。わたしを機械のように扱う人もいます」
牧師として教師として、自死者の増加に心を痛め「自分を壊す前にやることがある」と訴える著者。「人それ自体に問題があるのではなく、その人を励まし、ビジョンを示す監督やプロデューサーに問題の根があるのではないか」と考え、自作の童話を語ってきた。その物語に多くの人々から反響があり、書籍刊行の契機になったという。
フランスで人気を博す新進気鋭の作家が、独特の世界観を演出。和製絵本とは思えない洗練されたオシャレな仕上がりになっている。英文併記で、外国の方へプレゼントできるという配慮も嬉しい。
さらにAR(拡張現実)の技術で、クライマックスのシーンにスマートフォンやタブレット端末をかざすと、動く立体映像と共に美しい賛美歌のメロディを聴くことができる仕掛けも。
歌うのは東京21合唱団。オルガン演奏は同団の音楽監督を務める日本基督教団霊南坂教会オルガニストで、青山学院女子短期大学講師でもある飯靖子さん。
子どもから大人まで、とりわけ多くの教会でも読み継がれてほしい作品だ。(松ちゃん) -
「オルガニストを変えなさい。」ひとりぼっちで泣きそうで消えてしまいたいと思う人たちへ。どんな人でもどんな夜でもクリスマスにはきっと、自分を操っていた人を変えよう、生まれ変わろうと、自分を見つめることができるところ。