空と夢: 運動の想像力にかんする試論 (叢書・ウニベルシタス)

  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588000027

作品紹介・あらすじ

ニーチェ,シェリー,リルケ,ポー,バルザック等詩人,作家,思想家の空に関する詩的イメージを追いつつ,夢想の法則とその意味を明らかにした特異な想像力論考。

感想・レビュー・書評

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  • 学生時代に生協の古書イベントで購入。1300円。詩とイメージの力学を、正当に扱おうよ、と言っている。たとえば、空へと上昇するための「軽み」が必要。(p387「結語」の章Ⅲを見よ。)我々は自らの存在のために、創造的質量を取り返さなくてはならない。大気や風を身体に流し込み、少し軽くしてみる。それにより、過去の虜囚とならず、未来を築く存在に進化できる、と説く。自由の形而上学は、錬金術とも関連する。鍵は雑味。あえて不純物を加え「汚す」ことに妙があるという。上昇だけではない、下降と上昇の往還、2本の矢印。結局人間は、対比の力学(動き)によって、感じ、学び、表現していく生き物なのだ。
    ロラン・バルトはバシュラールについて、快楽としての読書を詩にみごとに対照した、遥かな到達点であるとする。(『テクストの快楽』「読書」p71)エクリチュールとして読む読書は単なる悦楽であり、快楽ではなくなる。すなわちバシュラールは我々から遠ざかってしまう。

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