- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784588000294
作品紹介・あらすじ
人間および人間社会がたどってきた歴史の次第に悪化するプロセスを,セルバンテス,スタンダールをはじめ,ロマネスク文学作品の社会学的・心理学的分析を通して解明。
感想・レビュー・書評
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だめだ。レヴィナスしかり、主観論が泥ついていて苦手だ。集団現象の方に興味がある。
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フランス文学、宗教学の泰斗ルネ・ジラールの代表作であり、アメリカ文化人類学の土台構築に寄与した作品。(副題『ロマネスクの真実とロマンティークの虚偽』)
フランス人って本当考えてることとか言葉が素敵。
大好きなスタンダールの『赤と黒』がモデルになって人間の欲望が体系化されてる。(欲望の三角形)
「欲望する主体が彼の足下に欲望がうがった深淵を知覚するとき、主体は形而上病的病の比較的激烈でない段階が得させてくれなかったものをそこに見出そうと期待して、あらゆる希望に逆らって、好んでその深淵に飛び込むのだ」p122
人文科学にもたらした知見、功績は大きいとされているらしいけど、社会科学の妥当性、信憑性を担うになうには欠陥が多そう。
「奴隷状態は常に欲望の終局であるが、その周局は最初極めて遠くにあって、欲望する主体がそれを知覚することはできない」p199
人間は、環境、他者、モノに依存しなくては生きることはできない。欲望の究極的形態は奴隷状態であり、主体である我々は奴隷状態を渇望する、というのが全体の骨子なんだけど・・・・
そんなこといったら、ハイエク先生(『隷従への道』)、とかアーレント先生(『全体主義の起源』)にボコボコにされちゃいます。(笑)