過去からの警告 (叢書・ウニベルシタス 315)

  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588003158

作品紹介・あらすじ

自然との関係を絶った自然科学,人類の滅亡を先導する現代科学の憂慮すべき状況を,カント,ニーチェ,クラウス,カフカ等々の先哲の証言によって批判した文明論。

感想・レビュー・書評

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  • 社会学とは近代を学ぶ学問である。であるならば近代と前近代との境目に生きた人たちの言葉は大きな意味を持っているのではないか。そんな思いから手に取った本。
    ルキアノスやアミエルなど馴染みの無い人から、カントやカフカ、ニーチェなど著名な思想家まで、近代初期の人々の思想から現代を批判し警告を発している本です。1982年出版ですが、色あせることの無い言葉であると思います。
    例えば進歩についての警告。我々人間はよりよきものになったといえるのであろうか?残念ながら、そのようなことは主張できない。せいぜい人間が前よりも幸福になったというくらいであろう。「進歩信仰に取り付かれて熱狂するのも、まさに神秘的な熱狂と異ならない」。
    古典を紐解きつつ現代を批判したこの書。一読の価値ありだと思います!

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著者プロフィール

山本 尤 1930-2015年。京都府立医科大学名誉教授。専攻:ドイツ現代文学、思想史。著書に『ナチズムと大学』(中公新書)、『近代とドイツ精神』(未知谷)、翻訳書にザフランスキー『ショーペンハウアー』『ハイデガー』『悪』『ニーチェ』『人間はどこまでグローバル化に耐えられるか』、ショーレム編『ベンヤミン─ショーレム往復書簡』、アルトハウス『ヘーゲル伝』、ボルツ『仮象小史』『カオスとシミュレーション』、グロス『カール・シュミットとユダヤ人』、キーゼル編『ユンガー=シュミット往復書簡』(以上単独訳、法政大学出版局)、シャルガフ『過去からの警告』『未来批判』『証人』『懐疑的省察ABC』『自然・人間・科学』、ザフランスキー『人間にはいくつの真理が必要か』、ボルツ『批判理論の系譜学』、アリー『最終解決』、ブルーメンベルク『世界の読解可能性』(以上共訳、法政大学出版局)などがある。

「2023年 『世界の読解可能性〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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