- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784588316210
作品紹介・あらすじ
能に魅せられ、女人禁制600年の能楽界に独力で立ち向かい、女流能楽師の先駆けとなった津村紀三子――その阿修羅のごとき生涯を同行者たちの証言をもとに描く。
感想・レビュー・書評
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芸と向かい合う女性のきれいごとでない人生。読んで良かった。
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女性初のプロの能楽師となった津村紀三子さんの生涯を書いた本。
縁があり、年に数回ながら、能を習わせていただいているが、教えてくださっているのが女性能楽師の方。
先日、「能は、歌舞伎と同じく、男性の世界かと思っていました」と、話わしたところ、津村紀三子さんのことを教えていただき、この本を推していただいた。
津村紀三子さんの人生は、特異である。
能に魅せられ、数々の苦渋と忍耐の道程を辿っている。
能に対しての想いが強すぎるために、周りの人が振り回されただろう。と、思わずにはいられないような場面も数々あるが、その精神力がなければ、女性不在の600年の歴史を変えることは絶対にできなかったのだろうと思う。
自分が想像した以上の人生に、圧倒された。
できることなら、津村紀三子さんが作った「かぐや姫」「文がら小町」を生で観てみたい。 -
かつて能は男性のものであり、女性の能は結婚前の礼儀作法の習い事の一つでしかありませんでした。そんな時代に女流能の先駆者として舞台に立った津村紀三子。舞台に立ちたいと思っても女性というだけで様々な困難が立ち塞がります。恵まれた環境でない中でも、能が好きという思いで奮闘し稽古を続ける紀三子。能に捧げた人生に圧倒されます。