とうちゃんのトンネル (絵本のせかい 30)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (35ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591005279

感想・レビュー・書評

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  • この絵本を読んで、復員者による戦後開拓地のことが頭に浮かんだ。実は近所に、かつて国策として開発された昔の開拓地跡があり、今は他の用途に転用されたり、放棄されたまま荒れて残っている。
    この絵本に出てくる一家も、終戦直後に町から田舎の山奥に越してくる。農作業未経験の父ちゃんが、土地を開拓して農業を始めるのだが上手くいかず、ただ々々涙を流す。一念発起した父ちゃんは、開拓した土地に水を通すためにトンネル掘りを実行し、いろんな困難にもめげずに掘り続けて、ついにトンネルは開通する。
    作者の実体験を基にして作られたそうで、何世代か前は、どの家も大家族であり、物資もない中で家族を養うために、この一家のように数多くの苦労があったことを想像する。今も残る荒れ果てたかつての開拓地跡を見て、あらためて先代の人たちに感謝したいと読後に思った。

  • 13'00"

    終戦後、食べ物をもとめ田舎に引越して
    0から農業を始め 苦労するも、父親が根気よく頑張り
    荒れ地を農地にした一家のお話。実話。

    トンネルとは横穴井戸の事。

    主人公はこの家の息子で足が不自由ながら
    田舎育ちで歩けるようになる。
    父が頑張る姿を見て励まされる。


    日本昔話風の絵が素晴らしく
    当時の生活様式や風景がよく描かれていて
    温かみを感じる事が出来る。

  • とうちゃんの背中に励まされて
    生きる勇気をもらったたいちゃん
    とうちゃんがくれた木琴も
    とうちゃんがくれたトンネルも
    水もお赤飯も
    全部が生きる力

  • とうちゃんの 闘志が グイグイと 伝わってくる!!

  •  戦争で田舎に越してきて作物が出来ず苦労していた一家の生活が、トンネルを掘り、水流を見つけた父のおかげで好転する。

     作者の実体験とのこと。

  • あきらめずに家族のためにひたすらに働く父の姿に感動します。

  • S太朗5歳7カ月で出会った本。お父さんによる読み聞かせ。

  • とうちゃんは、一生懸命働いたんだ・・・・でもね、水が来ない田畑はねえちゃんの嫁入りのしたくも出来なくて・・・泣いていたとうちゃん。岩にぶち当たっても、何年かかっても水が来るように掘った掘った。原田さんの大切な幼い日々の思い出!

  • 読んでいて、実話を絵本にしたんだろうな〜と思っていると、やっぱり!
    作者の原田さんの実体験のお話でした。

  • 2009.1.9

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著者プロフィール

1940年長野県諏訪市に生まれる。1963年武蔵野美術短大卒業。1973年複十字シール・デザイン・コンクール特選。1980年小学館絵画賞受賞。1982年4月から、朝日新聞日曜版に「原田泰治の世界」を127週にわたって連載。1984~86年「原田泰治の世界展」を全国22会場で開催。1987~88年「ナイーフ三人展-原田泰治とユーゴの仲間たち」を各地で開催。1989年から2年にわたりアメリカ合衆国の5都市で「日本の四季を描く原田泰治の世界」を開催。同展覧会は帰国後、全国33会場を巡回。1998年信州諏訪湖畔に「諏訪市原田泰治美術館」開館。1999年紺綬褒章を受章。2001年11月より2002年にかけてブラジル(サンパウロ、リオデジャネイロ)にて「原田泰治の世界展」を開催。2002年中米3ヵ国(メキシコ、コスタリカ、ニカラグア)にて「日本の心」を伝える絵画展・講演会を開催。2008年郵便事業(株)ふるさと切手「ふるさと心の風景」シリーズを全国発売。2011年財団法人逓信協会第56回前島賞受賞。主な著書に『さだおばさん』『原田泰治自選画集』『日本の歌百選』『日本のふる里』など。

「2014年 『私の好きな原田泰治の絵 33人が選んだ心に残る一枚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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