- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591060681
感想・レビュー・書評
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ズッコケシリーズ後期の名作。評者にとって殿堂入りである『株式会社』を除けば最も好きな作品。
この文庫版の解説でも述べられているが、「武器を持ち寄って戦うなど暴力事件だ」的なことをいう先生・教育者が劇中登場せず、あくまで三人組とそれに連なる人脈で事件を解決しているのが大きなポイント。
事件の発端は、カブトムシが取れる穴場をある勢力(高級エアガンで武装した違う小学校の生徒たち)が占拠したことから始まる。
前半、カブトムシスポットを取り戻そうとハチベエ達は意気揚々と攻め入るも、情報管理の不徹底(陣営の1人が自軍の情報をうっかり漏らしてしまう)によりあえなく敗北。
総崩れになった3人組陣営だが、忍者としての戦い方に活路を見出す。クラスのヒロインもくノ一として参加し、新生3人組陣営が発足する。
ハカセの用意周到な準備と作戦により、最後は3人組の圧勝で幕を閉じる。
3人組たちが一度は敗北を喫するも、知恵と工夫で集団戦を制した痛快劇、それがこの作品である。
余談だが、2002年版のドラマは最後に手打ちが行われ(原作では降参した逃亡兵を見逃しているが、和解のシーンは無い)、協力してエアガン軍の基地の撤去が行われた。
原作派からすると大改変であり、原作の良さを殺してしまっているが、「実力行使に対して実力行使で解決する」という内容が児童向けドラマとして放映しづらかったのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ものすごく久しぶりに読んだズッコケ。
那須さんのおられないこの世は寂しい。
小学生当時、この忍者と、無人島と、株式会社がお気に入りだった。
いま読んでも面白いし、話の展開がうまい。
小学生のとき、この本で、角材、という言葉を覚えた。
でも大人になったいま読むと、ハカセとモーちゃんが受けた屈辱や心の傷は絶対許せるもの、癒せるものではないと思うし、大人に頼ってほしいし、あの中学生の背景が気になるし、彼らには正当な罰というか処置が必要だし、えーといろいろモヤモヤした。
あと、ハチベエはかわいいけど、ハカセたちに対する言動はかなりひどいと思った。許さん。 -
再読
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[墨田区図書館]
ズッコケ三人組の第28巻。
とりあえずこのシリーズについては、私は気が向いたら読むぐらいにしておこう。王様シリーズやゾロリシリーズ同様、もうシリーズのカラーは確立されているし、内容的にはどうとでも。
ズッコケシリーズもそろそろ息子も読んでいれば楽しい反面、多少の飽きを感じて来たらしい。今手元にあるうちの、24,27,28巻は読んだし25&26もこれから読むけれど、29&30は読まずに返すと。残る巻のうち、面白そうと感じた題名の巻だけ今後も借りてきて読んでみたいらしい。
本当は全50巻読み込んだらすごいなぁと思っていた反面、どうせ読むならもう少し文章も難解で中身も物語ではなく実のあるものを(笑)とも思っていたところなので、まぁ飛ばし読みでの50巻到達ぐらいでちょうどいいかな。
リクエストのあった#35, #36, #38, #40, #41, #42, #43, #44, #47, #49, #50を借りてくるか。 -
面白かったけど、まあ微妙。
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小学生時代に読んだ作品。
ズッコケシリーズでもっとも痛快な作品であると思う。
スカっとしたいときに読むのが吉。ただし、途中でやめるのはおすすめしない。一気にばっと読んでしまおう。 -
那須さんはエアガン武装するドラゴン部隊をただの危険な遊びをする集団としては描いていない。リーダーの中学生は面倒見が良いと親たちには認識されているし、共働きで孤食になる子供たちが集まって昼食を食べる場になっているという側面もあるのだ。しかし、「銃には銃を」といかず、知能戦=忍者というスタイルを選ぶのがズッコケであり、痛快な面白さを生む。