- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591106082
作品紹介・あらすじ
四十を過ぎて独身のテレビドラマの脚本家・根室。雇っている妙齢の美人秘書・真知子にいざ想いを伝えんとしていた十二月二十三日の深夜、突然チャイムが鳴る。ドアを開けるとそこに立っていたのは、十四年ぶりに現れた十九歳の娘のいぶきだった-「パパ、私、小説家になりたいの」。そして迎える驚きのクリスマスとは?成井豊が満を持して贈る、ミステリ仕立てのクリスマス・ストーリー。
感想・レビュー・書評
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キャラメルの劇作家、成井さんの小説。
観劇後すぐ買って大分積んでおいたが、引っ越しで本を全部梱包してしまい、一番取り出しやすい未読の本がこれだったのでたまたま手に取った。
読み始めると結構あらすじを覚えていたが、終盤で涙腺が崩壊して大変なことになった。
当時、舞台を見た時も号泣して、ロビーで本を買ったような記憶がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
設定はいささか突拍子もなく感じたけど、父親と娘の絆の深さにはとても心が温まります。
ダメ男だけど憎めない素敵なお父様でした。
あと出てくる本の名前と作者がちょっとパロディで笑えます。 -
舞台で見たことがあって、その時に買っていたが読んでいなかったもの。
休憩しながらさらっと読むのになら、ちょうど良い。 -
人と人との絆っていいなって思った。
あっさりした内容と言えばそうかも知れないけど、読み終わってほっと暖かくなる話。 -
劇団キャラメルボックスの脚本家の方の作品だと後々知った
いぶきちゃん健気!
後半戦でぐあー!っとくる -
四十を過ぎて独身のテレビドラマの脚本家・根室。雇っている妙齢の美人秘書・真知子にいざ想いを伝えんとしていた十二月二十三日の深夜、突然チャイムが鳴る。ドアを開けるとそこに立っていたのは、十四年ぶりに現れた十九歳の娘のいぶきだった―「パパ、私、小説家になりたいの」。そして迎える驚きのクリスマスとは?成井豊が満を持して贈る、ミステリ仕立てのクリスマス・ストーリー。(「BOOK」データベースより)
演劇集団キャメルボックス脚本家の成井豊氏の最新小説。
舞台になったのが先で、後から小説化されたようですね。
実はワタクシ、高校一年生の時に観た『ナツヤスミ語辞典』が人生初観劇だったので(あ、自分でチケットを買って観たよ、という意味でね)、同劇団にはかなり思い出深いものがあるのです。
あの時に見た舞台上のキラキラが忘れられず、その後もキャラメルの舞台に通い詰めたものでした・・・。
「ファンタジーめいた話、こんなのは女子供の見る芝居だ」と、陰口をたたかれることが多かったキャラメルボックスですが、当時は「夢見て何が悪いんだ!」と思ってましたね、ははは。
Kプロデューサーの、あまりの商業主義にうんざりするまでは、ずっとここのファンでしたよ。
今はもう、キャラメルの芝居を見に行く事もなくなりましたが(主役を張る劇団員の入れ替わりもありましたし・・・)、この小説を目にして、再びあの頃観たキラキラを思い出しました。
成井さんの書くお話のパターンは、結構いつも似たり寄ったりなので、いぶきの謎や、作品のラストも読めてしまうんですけど、それでもこの「キャラメルボックスらしさ」の懐かしさの方が勝っていたかな?
根室の共同経営者、作家の砂川光人の著作が『蛇とカエルとコインランドリー』『沢蟹の鮮度』『強気なギャルがお灸を増やす』など、某作家さんをパロっているのが笑えましたしね。(須々井増高の『火斗美ふたたび』って作品もある!)
江國香織さんや小川洋子さん好きな方だったらニヤリとしてしまう箇所もあり、本が好きな人が読むと、もっと楽しめるかもしれませんね。
テーマとなる親子の愛情も、すんなり胸に入ってきますし、難しく考えること無く、ただただ成井さんの世界に浸ることができた作品でした。
ただ読みごたえはないかな?ちょっとそこが残念。
たぶん舞台で見た方が、もっと胸に迫るものがあるのでしょうね。 -
久しぶりの成井さん書き下ろし小説。
父と娘の感動クリスマス・ストーリーになっている。今回は同時に舞台化もされていて、私は先に舞台を観たせいか小説はさくさく読むことができた。
かけがえのない、大切な人に会いに行きたくなる一冊。 -
キャラメルボックスの舞台の原作。
道新ホールでの舞台を見て感動して購入。
14年ぶりに現れた19歳の娘の目的は7つの目標を達成すること。
飛行機内、病院内でのやり取りでは思わず涙が出てくる。 -
同名の、演劇集団キャラメルボックス2008年クリスマスツアーで上演されたお芝居の原作本。
舞台の方では、脚本は成井さんだけでなく真柴あずきさんも参加されていた。それにあたり、真柴さんは「女性の視点を入れた」をお話しされていた。
確かに、舞台ではなんの違和感もなく、また自分は特に真知子に感情移入して見ていた。
が、原作を読んでみると飽く迄典彦という男性視点からのみで
いぶき、真知子、亀田、亜希子らの女性視点は全くと言っていいほど感じられない。
小説で見る、純粋な、男性から見た可愛いいぶきたち
舞台で見る、リアルでシビアないぶきたち
その微妙な違いが面白い。
小説版は奥尻が男だったこと、舞台で重要な役割を果たした典彦の両親・妹が出てこないことには少し驚いた。
が、舞台と違い小説では典彦の気持ちをつづることができるし
両親たちが出てこない方がシンプルに典彦視点で読んでいくことが出来てとても良いと思った。
先ほどあげた女性視点がなく典彦から見た描かれ方しかしていないことから
亜希子にはあまり感情移入できないまま終わってしまった。
彼女の苦悩よりは、どちらかというと身勝手な部分が目に付いた。
いぶきが14年ぶりに父親に会いに来たときの彼女の緊張などにもあまり考えが至らず
ひたすら典彦の一人語りを読み進める感じ。
真知子が典彦に少なからず好意を抱いているのかと感じたのも、舞台をは違ったところ。
男性視点からくる、願望とでもいうのだろうか。
舞台版と比べてシンプルでわかりやすく
ただひたすら典彦の言動を追っていける為
自分の余計な詮索や感情
(このときいぶきはどう思っていたのか
亜希子はどんな思いだったか など)
の入る余地がなく、
男性読者はストレートに読めるのではないだろうか。
女性には多少食い足りなさはあるかも。