教室の悪魔 (ポプラ文庫 や 1-1)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591111079

感想・レビュー・書評

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  • 怖かったです。

    ひとりの親として。
    ひとりの支援者として。

    事例の紹介もあり、いじめは、ほんとうに怖いと思いました。

    いじめに気付いたら、まずは被害者の安全を確保すること。
    子どもの了承を得て、いじめの解決を図ること。

    大人が、全力で子どもを守る必要があることがわかりました。

    ひとりの大人として、
    常日頃から「人」の大切さを伝え続けること、
    いじめに少しでも早く気付くこと、
    いじめに気付いたら、被害者の子どもの安全を、一刻も早く確保することを心に誓います。

    子どもにかかわるすべての大人たちに読んでいただきたい一冊です。

  • これはこわい。

    いまどきのいじめが実例を挙げて紹介されているのだけど、
    自分の子供時代と比べると、いじめによるダメージがハンパない破壊力で、
    これはもう普通の生活に戻れないんじゃないかっていうくらい。

    いや、いじめたほうもこの後どうやって生活していくんだろうって思うくらい。
    人を傷つけることも傷つけられることも何しろ感情のパワーを激しく消費すると思うのだけど、ここに出てくる子供たちの鈍さがまた怖い。

    いじめには立ち向かう必要はない、という著者には全面的に賛成だ。
    わたしも子供たちにいじめにあって自殺するくらいなら
    いつでも転校でも引っ越しでもしよう、と言っている。

    ただ実際に渦中にあるとき、冷静に子供に対しても学校に対しても
    自分のただしいとおもっている行動ができるだろうか。
    親としての覚悟を新たにしながら読みました。

  • 現代のいじめに関して実態とその一般的な対処策を挙げている。

    この本を読むと、現代のいじめがいかに陰湿で残酷なものなのかが
    分かる。大人社会のいじめにひけを取らない。
    むしろ更に過酷なことの方が多い。

    読んで大部危機管理能力が高まったように感じる。

  • 豊かになって手に入れたもの。この自由。
    そして、この不安。
    もともと、人間は、自由に生きられるようにつくられていないのかもしれないなぁ。自分が望んで、手に入れた自由なんだけれど。

    かなり酷いいじめの現実と、それに対して、大人がしていかなければならないことが書かれています。
    大人顔負けの。というか、子どもだからできる執拗さ。

    大人ならある程度、いじめられても、それだけが世界ではないとわかるのだと思います。でも、被害者の子どもにとって、学校という場は世界のほとんどを占めている。逃げ場がない。
    それは、加害者も理解していて、さらに追い詰めていく。

    マスコミは、「責任」が好きだけれど、「責任」以上に、今やらなければならなければならないことがある。
    もし、誰かに、「誰かが悪口言っていたよ」とご注進するヤツがいたら、そいつは、親切ではなくて、親切顔なトラブルメーカーだ。でも、そんないつも接している世間やマスコミに、そんなトラブルメーカーが、大きな顔してまかり通っている現実がある。

    ほんと、マスコミ、ご注進好きですよね。

    センセーショナルな「責任」で、解決に向かわずに、引っかき回して喜んでいるのも、多分、いじめが、少なくならない原因だと思う。

    まぁそれでも、文句の1つも言わず(1つ、2つしか言わず)、大半の教師は、24時間教師をしている。
    せめて、後ろから、鉄砲で撃つような真似だけは、しないようにしなければ。

  • 著者は東京都児童相談センターの心理司。
    たくさんの事例と共に、現代のいじめの特徴、解決方法を述べている。
    教員側としては、「ちょっと被害者に傾きすぎかな?」「そうされると学校としては難しいな」と思う部分も多いが、こういう考えもある、ということで勉強になった。

    まずは、このようないじめがクラスで起きないよう、頑張りたい。

山脇由貴子の作品

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