(P[き]1-3)マイナークラブハウスの森林生活 (ポプラ文庫ピュアフル き 1-3 minor club house 2)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591114339

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  • 木地雅映子のマイナークラブハウスの森林生活を読みました。マイナークラブハウスへようこその続編でした。第2巻では、マイナークラブハウスの面々が合同合宿で天野清一郎の故郷を訪ねていく物語でした。天野清一郎の故郷での破天荒な歓迎や福岡滝の恋心の行方などがコメディタッチで描かれています。急な腹痛で、合同合宿に参加出来なくなってしまった畠山ぴりかはマイナークラブハウスに一人残されてしまい、たまたま訪ねてきた高橋奈緒志郎に助けられて、からくも生き延びるのでした。いつもは着ぐるみを着て、ふざけているような会話しかしていない畠山ぴりかですが、その生い立ちや家族環境が明らかになってくると、そのけなげさに心をうたれてしまいます。登場人物が結構多くて、思わぬところで関連していたりするので、翻訳のミステリのように最初に登場人物の一覧があるといいのになあ、と思ってしまいました。

  • 文武両道の有名私立大学付属の中高一貫校。その高等部の一角にある古ぼけた洋館。そこは部員数が定員に達しない非公式な文化部たちの居場所、通称「マイナークラブハウス」なのだった。

    シリーズ2作目。ただ単にはみ出しものが集まった理想郷を描く作品ではないと前作より示されていましたが、今作ではその部分がより強く表われていました。
    ネグレクトの親元から離れて学園内で野宿する少女、訳ありの人間を家に入れる母親と同じ血を引くことに気付く少年、過去と対峙する少年、何か強いものにすがりつく人の弱さを目の当たりにする少年、そんな子どもたちと対峙する大人。
    マイペースに見える子も、大人びて見える子も、要領よく生きているように見える子も、みんな必死に自分と向き合って生きている。そんな様子が容赦なく書かれています。
    連作短篇の形を取り、語りを変えつつ断片的に物語は展開します。結論に当たる部分を書かずに切り落とされているものもあり、だからこそ余計に考えさせられます。

    でもつらさばかりではないのですね。友達が横にいてくれる心強さも書かれています。
    文系マイナークラブの面々とは正反対に見える田舎のヤンキー少年もまた「はみ出しもの」という点では同じ。全く違うように見えるものたちにシンパシーを感じ、それが心に温かく宿る。そんな情景が書かれていることに、この作品の本当の強さを感じます。

  • 不順な動機で木地作品を読み始めて3冊目。 「みんな」とか「ふつう」とかに逆らって生きる。 赤信号、ひとりで渡る、自己責任。 いつからだろう。 「みんな持ってるから欲しい」が、 「みんな持ってるから欲しくない」になったのは。 ときどきわからなくなる。 選んだものがマイナーだったのか、マイナーだから選んだのか。 そういえば、MLBはメジャーリーグよりマイナーリーグの方が選手もチームも多い。 Aマイナーのアルペジオ。

  • 登場人物の内面が見えてきた、二巻。
    ぴりか、やけにモテモテ(笑)

    ゴーヘイ君の話が切ない。
    どんだけ仲良しでも、大人ぶっても、家庭環境(特に経済的)の差は子供にはどうしようもできないときがある…

    滝ちゃんは、橋本愛のイメージです。

  • マイナークラブハウスの2冊目。
    ドタバタはちゃめちゃ振りは相変わらずだけど、その中にも、各々が抱える重くては暗い物が出てきている。
    弱い者でなれ合わない、互いに協力するけど依存はしない。
    そんな面々の生活が描かれています。
    やっぱり10代のときに出会いたかったな。

  • 桃李学園高等部の片隅に建つ古ぼけた洋館は部室を持たない弱小文化部が集うマイナークラブハウス。
    ここに集う面々は、自由気ままに青春を謳歌してい るように見えるが・・・
    マイナークラブハウスシリーズの第2弾。
    (以上紹介文)

    マイナークラブの面々は合宿にライブに恋にと青春を謳歌しているが個々の持つ闇は大きい。
    彼や彼女の思いもしない一面が出てきたり、新キャラの登場もあるけど、楽しげな場面が多いほど各々の持つ陰の部分が引き立ってます。

  • ぷっつんぶりの影にいろんな物語が進行している。さらにつづくのだ。

  • 2010.03.25.

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著者プロフィール

1971年石川県生まれ。作家。
日本大学芸術学部演劇学科卒業。1993年「氷の海のガレオン」(群像新人文学賞優秀作)でデビュー。作品に『ねこの小児科医ローベルト』『悦楽の園』「マイナークラブハウス」シリーズ、『あたたかい水の出るところ』『夢界拾遺物語』『ぼくらは、まだ少し期待している』などがある。

「2023年 『ステイホーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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