悦楽の園〈下〉 (ポプラ文庫ピュアフル) (ポプラ文庫ピュアフル き 1-6)
- ポプラ社 (2010年5月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591118269
作品紹介・あらすじ
僕には、君がいればいい。
激しい戦いの記録が、そのまま夢のようにリアルな
愛と友情の物語になっている。
――穂村 弘(解説より)
イラスト:五十嵐大介
感想・レビュー・書評
-
中学生のときに読んでたらもっと頑張れたかな。まあでもこの本はそのとき存在してなかったんだけど。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本を読み終わったとき、他の本とは全く違う感覚に襲われた。
なんだか・・・・モヤモヤしたような、貼れない気持ち。
悦楽の園は普通とは少し違う、ずれた世界を書いている。
普通の中学生、普通の人間、普通の環境というものが舞台ではなく、全く異質な環境の中の、主人公の成長を書いたもので、読んでいてなんだか不思議な気持ちになれた。
結局、読み終えた時も、この著者は読者に何を伝えたかったのかがわからなかった。
命の大切さなのか?他人を思いやる気持ちなのか?個人の能力の尊重なのか?
(単にまだ、自分には読解力がないからかも・・・・)
でも、この先、生きていく中でこの本はきっと自分を支えてくれるようなものになるとおもう。
ぜひ読んでみてください。l -
物語の根幹にあるものが、自分がここ数年、いや、実際にはもっと前から戦い続けてきたものと地続きで、「氷の海のガレオン」と同じく、「この本を10代で読めていたらどんなに良かっただろう」と思った。
暖かな灯りの下で人知れず押しつぶされていくたくさんの魂。真に進歩することなく、表層だけを取り繕い、皮一枚を隔てた裏側ではどんどん不寛容になっていく世界。
岡崎京子「リバーズ・エッジ」にも引用されたウィリアム・ギブスンの詩の一節「平坦な戦場をぼくらが生き延びること」がなぜだか浮かんだ。
この本が、今まさにぎりぎりで生きている子どもたちの救いになるのならそれはどんなに素晴らしいことだろう、と思いました。 -
学校に「革命」を起こすべく動き出した真琴。
しかし革命を起こすために越えなければならない壁は厚い。
「普通」が絶望を産み出す世の中で希望を求める物語。 -
面白くて随分引き込まれたけど、終盤になって電波化した辺りでついていけなくなった。
もう少し主人公の周りについての話しが欲しかったなぁ。
尺が足りない感が残念。 -
上下巻を一気読み。最近軽い時代小説ばっかり読んでたので、久々に心をガンガン揺さぶられた感じ。疲れた。でも、満足。
-
如何わしい話ではありません。(二回目)
最後まで、ページを繰る手が止まりませんでした。
面白かった。
ネタバレするのは嫌なので、詳しくは書きませんが、ラストまで突っ走り続けます!疲れました。でも心地良い。
若干ファンタジーも入ります。
現実とのリンクの仕方に、なぜかブレイブストーリーを思い出しました。(昨日話題に上ったからかしら)
私は染谷くん、好きですねー。
あとがきがまたニクい演出です。 -
ぼんやりとしていた感覚に輪郭を与えてくれた。
評価色:水色 -
文庫化を記念して再読。解決はファンタジーだが、現実に多くの子どもたちが潰されている状況を描く傑作の後半