おとな小学生 (一般書)

著者 :
  • ポプラ社 (2013年2月6日発売)
3.52
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本棚登録 : 541
感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591132340

感想・レビュー・書評

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  • 子どものころに読んだ絵本、それにまつわる思い出を綴ったエッセイ&マンガは、ミリさんらしくほのぼの・のほほんとしていて、でも時々ちくりと切なくて。この「ちくり」具合が何とも鋭くて、胸が痛くなる。冒頭の「友達からの手紙」はほろ苦い記憶ではあったけど、誰しもこんなふうに、友達を無神経に傷つけて、小さな後悔に苛まれてしまったことがあったのではないだろうか。思い出すよ…色々と。
    勿論苦いだけではなく、いかにも子供らしい、くだらないことに熱中した思い出(ギンダン作り、消しゴムのかす集め)は、そのしょうもなさに笑ってしまう。そして、そんな幼い頃の思い出と絵本は、切っても切れない関係。「ぐりとぐら」「はははのはなし」「おおきなかぶ」「しずくのぼうけん」etc…言うまでもなく、私自身も幼いころ親しんだ名作の数々。絵本にまつわるエピソードは人それぞれだなぁと改めて思うのである。ミリさんのエピソードがきっかけで私自身の懐かしい記憶が色々思い出され、あの頃を振り返りながらまた名作たちを読み返したいなと思っている。
    福音館書店の、丸木俊さん・画の「12のつきのおくりもの」私も読みたいなぁ。

  •  この人は小学生の時に図書室でたくさん本に触れたのだろうな。そしてただ読むだけでなく、その話の中に入りこんで、彼女なりによく租借して理解して心に残したんだろうな。私も児童書は大好きだけれど、こんなに1つ1つの話をよく覚えていられない。何かを頭に入れたら何かが頭から出る。これ私の基本です。でも、懐かしかった。また読み返したい本がありました。

  • 益田ミリさん
    思い出の絵本二十冊の紹介と
    子供のころのことエッセイと漫画

    知っている絵本ばかりで楽しく読めました

    『ふたりはともだち』は切なかった
    絵本の表紙がカラフルな感じだったら
    ミリさん、すぐに読んですぐ返して
    その女の子と親友になってたかもですね

    でも子供の頃気に入ってた絵本は
    内容よりも絵とか面白い言葉とかその主人公とか
    の方だったと思う
    道徳的メッセージよりも


  • ミリさんが幼い頃に読んだ絵本のエピソードと、それにまつわる想いを綴ったエッセイです。

    ああ、こういう何とも言えない感情持っていたなぁと。
    うまく言葉にできない、こころの痛みというか、ちょっぴりトゲが刺さったような感覚。
    でも大人になったら、もう味わわないのはなんでだろう。

    チクンとしつつも、いつものミリさんのほっこりはあるので、
    読後感はあたたかいものでしたよ。

    【本文より】
    バーバパパは好きだった。なんにでもなれる姿を見るのは清々しかった。

    *ハグハグぎゅっ宿泊所(釧路町)さんの蔵書です。

  • 絵本の紹介エッセイの形をとっているが、中身は益田ミリさんの子供時代に絵本の話をうまく紐づけたエッセイ。『マジメってつまんない。』『大人になるということは汚れてしまうことだった』など、「おお、ハッ! とさせられるなあ」と益田さんの文章力に感銘を受ける。

  • 益田ミリさんが自身の思い出の絵本と子ども時代を描いたエッセイ&コミック。
    子どもの自分にかけたい言葉、よくわかる…。
    絵本探しの旅inチェコも収録。

  • これも書評本、と言っていいのかな?
    でも、この本を読んでも、紹介されている本の内容は、ほとんどわからない。
    その本にまつわる、益田さんの小学生時代の思い出が、語られているからだ。
    親御さんに黙って、子どもだけで遠くの公園まで遊びに行ったドキドキ感。
    消しゴム削りがクラス中のブームになり、先生に怒られたことをきっかけに迎えた、その子ども界独特の雰囲気。
    友達とのちょっとした行き違い。
    どれも自分自身にもありそうな思い出。
    現役の子どもより、かつて子どもだった人が読んで面白い本かもしれない。

    『小さいももちゃん』『はははのはなし』『しずくのぼうけん』『しろいうさぎとくろいうさぎ』『ぐりとぐら』などなど。
    益田さんとは同世代なのか、私自身も親しんだ本が多く、懐かしかった。
    すっかり忘れていた、『おおきなおおきなおいも』もあった。
    残念なことに、内容はどんなものだったか、この本ではちっとも分からないんだけど。

  • 益田ミリさん「おとな小学生」、2013.2発行です。子供のミリさんと大人(43歳)のミリさんの会話(Q&A)です。子供のミリさんの素朴な問いに大人のミリさんが優しく答えます(^-^) 表紙は、「こどもにもどりたい?」って問いに「こども、まだのこってるョ」と応えてますw!

  • タイトルを見て、小学生みたいな子供っぽい大人の話なのかと思っていた(いい意味で)

    しかし、読んでみると、「おとな」と「小学生」の間には何か記号が入るのだ。
    表紙だって、文字の色が違うし。
    「おとな」対「小学生」
    「おとな」?「小学生」?どっちがいい?どう違う?
    みたいな、いろいろな問い。

    内容は、益田さんの子供時代の思い出と、それにまつわる1冊の絵本の紹介、見開きで4コマ漫画、これでワンセット。
    その他に間あいだに、小学生の頃の益田さんと、今の益田さんの会話が入る。
    益田さんは、どうしてあんなに良く子供の頃のことを覚えているのだろう。
    そして、その頃の自分に、友だちに、妹に注ぐ視線がとても優しい。
     
    ーー悪い子って思わなくていいよーー
    ーーおおきくなっていいんだよーー

  • 絵本にまつわるミリさんの想い出話エトセトラ。
    絵本を読んでた頃の自分の感受性なんてすっかり忘れてたけど、読みながらほじくりかえされて、少し気恥ずかしい心持ちになったりも。

    個人的には「ぐるんぱのようちえん」が出てきたのが嬉しかったです!
    一番好きな絵本だったはずなのに、内容ほとんど忘れてたけど…。

    また読んでみたい、まだ読んでない、紹介された絵本はどれも手にとってみたくなりました。
    子どもがいなければ絵本なんてこの歳じゃなかなか読む機会はないけれど、手にしたら大人になる過程でずんとたまってしまった心の汚泥(!)が浄化されるかも(笑)

著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に『欲しいものはなんですか?』『みちこさん英語をやりなおす』『そう書いてあった』『今日の人生』『しあわせしりとり』『すーちゃん』シリーズ、『マリコ、うまくいくよ』『僕の姉ちゃん』シリーズ、『スナック キズツキ』『ツユクサナツコの一生』『ヒトミさんの恋』『ランチの時間』等がある。

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