ねずみの騎士デスペローの物語 (ポプラ文学ポケット 1)

  • ポプラ社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591149270

感想・レビュー・書評

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  • ニューベリー賞受賞作とのことですが、若干つらい描写もあり。ただそれも世の中美しいことだけではないからという作者のお考えとのこと。

  • 小学生のころに表紙に惹かれて読み、勇敢なハツカネズミと賢く綺麗な王女に憧れた。
    中学生のころもう一度読み、可哀想なドブネズミや哀れな少女と囚人に涙した。
    今回は、世界の残酷さを別の方面から理解し直した。

    最後のページの最後の一文
    『この物語にいくらかの光をみつけてくださることをねがっています』
    闇のほうが多くないか。
    スープ禁止令は確かに民衆を苦しめただろうし、グレゴリーは死んだ。看守のグレゴリーが一番報われないよ。『何十年、何百年、計り知れない年月』をずっと暗い暗い地下牢で看守してて、ドブネズミに命綱のロープを齧られ、息絶える。そんなかなしいことってあるかよ。グレゴリーは何が楽しくて生きてた?普通のドブネズミさえハツカネズミという食や囚人の絶望を(過激だけれど)楽しみにしてたというのに。物語くらいじゃないか?それさえも、おそらくは囚人と、類稀な一匹のハツカネズミくらいからしか聞けたことないんじゃないか。グレゴリーがなにしたってんだ

    デスペローの父母は解釈の余地がありすぎて困る。多分読む人によってだいぶ変わる。私は、父が自らの尻尾でデスペローを処刑場へ送り出したことよりも、母が、その送り出される場面でドラマチックな気絶を披露し、自分に陶酔しきった、「我が子が処刑されるなんて可哀想な”私“」っていう思想に見えて苦しくなった。小学生のころは母親を跨いで通るなんて!と思っていたのに。
    父も父でなんだかなぁとはなるけどデスペローがそれでいいならいいや。
    王族に関してはまだ自分に言語化できるほどの語彙が無い。

    いろいろ思いはしたが、物語は受け取り手の経験や知識によって光の当たる文章が変わるという話を、実際に体験できて面白かった。
    話自体は、小学生の頃から好きだから今更嫌いになることはないけれど、もやもやが残った。面白かったよ。面白かったけど……
    グレゴリーは、グレゴリーは幸せだったんですか?足のロープを引っ張ったら簡単に引きずることができて、その頼りなさに絶望し、暗闇の中でひとり死んでしまったグレゴリーのことを考えると遣る瀬なくなります……

    また年月経てば見方変わるのかな……

  • 小学生の時、何回も繰り返し読んだ本。
    大人になった今でも時々タイトルの針を持ったネズミを思い出す時がある、笑
    相当好きだったんだなぁ

  • はじめて読む児童書にとってもおすすめの一冊。
    小さな小さなハツカネズミが、お姫さまに恋をして、暗闇とおそろしいドブネズミのいる地下牢を冒険するお話。
    小学高学年でも読めるほど優しい文章なのにも関わらず、大人でもどんどん引き込まれる世界観が素敵。こんな名作があったのかとちょっと驚いた。
    お城から一歩も出てないのに、15グラムしかないハツカネズミにとっては大冒険!最後はあれ?打ち切り?くらいのあっさりさではあったけど、それもまた良し。続きが読みたくなりました。

  • お城に住む様々な生物や人の話。対象年齢がおそらく小学生中学年くらいかと思います。児童文学が好きなので読みましたが、これはストライクで小学生向けです。それを考えると読みやすさは満点だと思います。

  • お姫様のお伽話であり、ネズミの冒険譚であり、なかなかに面白かった。
    みんな、それぞれに愚かで、それぞれに優しいところが、なんとも童話らしい。
    光を求めたドブネズミがよじれてしまう哀しい展開には、つい同情してしまう。
    少し説教臭い、読者への呼びかけが玉に瑕だ。

  • 他のハリネズミとはまったく違う様子で生まれてきた耳の大きなハリネズミ・デスペローが、お城のお姫さまに恋をして、窮地を救うために勇気を出して戦いに挑む物語。大きくて強いものだけが、戦いに赴くのではない。それを支えるのは愛であり、またはからずも敵役となってしまうものにも、ひび割れた心を間違って修復してしまった過去があることなど。作者の脇台詞が、ちょうどよい狂言回しの役を果たし、とても分かりやすい。デスペローが父やハリネズミ議会に大きなゆるしを与える場面はとても重要な場面だか、デスペローが勇敢そのものというわけではないところも、読み手の子どもたちにとっては、身近な存在の行為として、理解しやすいのではないか。孤児の少女ミグや、敵役のハリネズミもよく描かれ、ストーリーに無理がない。ニューベリー賞。

  • 小学生の時に図書館で借りた本!ねずみのデスペローとお姫様の話。大好きな本

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著者プロフィール

アメリカの作家。『ねずみの騎士デスペローの物語』と『空飛ぶリスとひねくれ屋のフローラ』で、二度のニューベリー賞を受賞。そのほかの作品に『きいてほしいの、あたしのこと―ウィン・ディキシーのいた夏―』、『愛を見つけたウサギーエドワード・テュレインの奇跡の旅―』などがある。

「2023年 『ベアトリスの予言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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