土門拳の写真撮影入門 (ポプラ新書 つ 3-2)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591156575

作品紹介・あらすじ

「撮影の亡者」と称された土門拳の
「入魂のシャッター」の秘密に迫る!

「土門拳のレンズは人や物の底まであばく」
(高村光太郎)

「人生は退屈極まるものではないか。
思うようにすべてが写るものと決まったら……。
うまく写らないわれわれヘボ写真家こそ
まさに恵まれたものではないか。
クサらずにそして飽きずに
撮ることにしようではないか」
(土門拳)

絶大な人気を誇る写真の「求道者」の
撮影技法やエピソードのすべて!

没後30年近く経つにも関わらず
絶大な人気を誇る土門拳の撮影技法を
実際の撮影現場の状況とともに明かす一冊。
「二人称カメラ」「絞り第一主義」「露出計の否定」など
具体的な撮影技法はもちろん、
さまざまな人間味あふれるエピソードを交え
実際の写真とともにわかりやすく伝える。

写真を「人間の不幸を解決する手段」と捉え、
人間への愛と人生の「絶対肯定」を
込めるために築き上げた技術とは?

二人称カメラ
鬼が手伝った写真
実相観入
被写体を襲撃する
カメラの自分の肉体とする
モチーフに体当たり
カメラとモチーフの直結
絶対非演出の絶対スナップ
テーマ性と典型
リアリズムと実践的課題
一枚写真と組み写真
マチエールの重視
絞り第一主義
露出計に頼らない
手でつかめる風景
こどもは神の子
……

感想・レビュー・書評

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  • 作品はもちろん、エッセイなどの言葉を通じて、今も通じる写真家精神を数多く遺した土門拳。精神性ではなく、具体的な撮影手法までまとめあげた一冊。黒澤明研究も深い著者による、土門と黒澤の共通項の炙り出しは、それだけでお宝。
    読み込んでいくと、表現者というより、一流の禅僧から説教を聴いている気持ちになってくる。背筋が伸びてくる。

  • タイトルが撮影入門なので、初心にかえって、有名な写真家の撮影方法はどんなもんかサラッと読むつもりで購入しました。しかし、この本は、撮り方の説明ではなく【土門拳】の写真の考え方などが書かれた本でした。
    とても共感できる写真家だったことを知りました。

  • 2008/2/3

  • 作品が永遠の命を持ち、その傍らに、作者は抜け殻となって身を横たえるだけである 死者が生者ように蘇り、彫刻である人間が生きた人間のように動き出す、まさに土門芸術があの迫力や妖気を放っているのはその人並み外れた想像力によるのである 土門自身も室生寺体験を通して、戦後生きる勇気と、日本と日本人に対する強い自信を胸に、戦後を歩み出したのである 土門の写真の生命は、力強さにある。彼の写真は、見る人に人生を前向きに生きる勇気と喜びを与え、明日を生きる元気と情熱を与える 彼の目には、子供たちは皆天使のように無垢で罪のない存在だった。それだけに理不尽な原爆による悲劇は許せなかった

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