英国幻視の少年たち6: フェアリー・ライド (ポプラ文庫ピュアフル ふ 4-6)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 125
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591158777

作品紹介・あらすじ

だめだ、彼にはみせないで……







            「起きろ、ランス」頼むから。





魔女の視た未来は再現されるのか。

いよいよ一同は妖精の国へ。





ウィッツバリーで対ファンタズニックの仕事について学び始めたカイ。ある雨の晩、ランスの身に異変が起こり、ロンドンからエドが駆けつける。ランスの抱えていた秘密とは? 森の泉にシンシアが現れなかった理由とは? 魔女の視た未来とは? それぞれの思惑が飛び交う中、一行は妖精の国へと向かうため、ハロウィンの夜に集結する。危険に満ちた行程で、「奪還」という目的は果たして達されるのか。緊張と興奮ののちに感動が訪れる、シリーズ最終巻!

感想・レビュー・書評

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  • いよいよ妖精の国からの奪還の日が近づく中で
    示された最後のピース

    強い想い、それだけが
    彼の国の誘惑を払う力となるのか
    カイ、ランス、そして彼らと関わる全てのものたちの
    掴みとる未来とはーー

    ***シリーズ感想***

    (基本的に六巻の内容に触れたネタバレ等の感想はなし)


    終わってしまった…本当に寂しい、あまい
    自分も妖精の国にでもいたように
    時間が経つのも感じないまま一気に読み切ってしまった…

    イギリス、ファンタジーが好きで
    そういった話をよく読んでいたので
    書店でタイトルを見たときから、
    そして裏のあらすじを読んで確信として
    この話は好きだ!と思えたわけだけれど
    本当に素敵な作品だった

    まず感じたのは
    実際にあるかも知れない、身近さへの喜びだったと思う
    まったくの異世界でも、遠い過去のことでもなく
    現代のイギリスを舞台に
    生活の中で起きるファンタズニック
    もしかしたら自分もイギリスに行けば、
    ほんの気まぐれにでも妖精のイタズラに巻き込まれるんじゃないだろうか?
    そうならば昔に何かの本で読んだ、
    妖精が見える塗り薬を作るのもいいかも知れない

    そんなことを考えながら触れられる作品世界が
    愛おしくないわけがなかった


    ぶっきらぼうで世話上手なカイ
    さらにぶっきらぼうで浮世離れしたランス

    既刊の感想でもどこかで書いたけれど
    いつ、ふっと現世を手放してしまうかわからないランスの
    友人にカイがなってくれて、本当に良かった
    中の現実の端々でさりげなくどつきあう姿とか
    相手を守るために自分がしっかりしなきゃとか
    そんな風に思い合える友人同士になって本当に良かった

    登場人物に触れ始めたらキリがないので
    とりあえずひとりだけ

    スー

    癒しだ。
    なんて可愛いんだ。悶絶した。
    最終的にスーが登場すると胸がドキッとした。
    恋かも知れない。
    言動が有り得ないくらい可愛いし、
    いつも洗いものを求めてる姿が有り得ないくらい可愛いし、
    スーに会えるならイギリスに移住してもいい


    何を書こうとしていたかわからなくなった
    惑わしのイタズラをされているのかも


    イギリスには一度だけ行ったことがある
    その記憶や雰囲気で補完しながら読めたことが本当に幸運だった
    あの景色の中に、
    妖精の国をリアルに描けて良かった
    本当に存在しているかのように記憶の中に映る
    自分の中にあるそこは、春霞の中にあるようなイメージ

    このお話の好きなところは、そのイギリス的な雰囲気が
    親しみやすく、受け取りやすく書かれてあるところかなと思う
    文書の端々にある、皮肉というか、あちらの人の考え方というか
    そういう文化的なものがリアルに味わえて
    なるほどこういう捉え方をするのか!と
    クスリとしてしまったり
    これはどういうことだろう?と調べて勉強になったり
    それが読んでいて楽しいところだった

    また必ずイギリスには行きたい
    ツアーだと難しいと思うけど、もし自力で巡ることが出来たら
    ウィッツバリーに行きたい
    そしてスーに会うんだ…(諦めない)


    作品的には、実に「らしい」終わり方だったと思う
    水彩画でさらりと描いたような
    ネタバレなしと書いたのであまり触れないけども
    スッと心に馴染んで溶けて
    終わりを迎えたけれど、それでも物語はまだ続く

    そう、まだまだ、魅力的な登場人物たちの
    愛すべき人生は続いていて
    いつの日かその生活をまた少しでも垣間見れるときがくることを願って
    まとまりが全くなくなってしまったけど
    ひとまずの感想に

    素敵な物語をありがとうございました

  • え!これで終わり?!
    というか、なんだか呆気ない。
    大団円ではあったし、1番納得のいく終わり方なんどけど、全体的にあっさりしてるというかなんというか。
    もうちょっと詳しく書いてほしかったなぁ。
    ダラダラと長いのも興醒めだけど、コンパクトすぎる。

  • 正直、これらの問題をこのページ数で終わらせるとは思わなかった。てっきり次巻もあるんだろうと・・・
    ランスはシンシアを恋愛対象としてみていなかった(と私は読み取った)ので、この結末は当然なのかなと思った。
    で、2回目の訪問でカイの力は強化されたのだろうか?気になるところ。
    もっと活躍を見てみたかった。
    重い本を読んでる中で、このシリーズを休み休み読んだ。とてもいいリフレッシュになった。次巻がでたらまた一から再読しよう。

  • 終わっちゃった〜ふわぁ〜

    絆って言っていいのか、孤立していたもの同士がどんどん繋がって笑顔が増えていくストーリー展開にもう心への温もりが絶えません。
    久しぶりに小説っていいなって思わせてくれた。

    まりこさん幸せになってや〜

  • はー、最後まで大好きでした。クライマックスでもどこか静かで。完結さみしい。スーにまた会いたい。

  • 英国幻視の少年たち最終巻

    うわあ……ついに終わってしまった……。
    ここ最近で一番夢中になったシリーズ。終始低体温な感じで進んでいくんだけど、それがすごく心地よくて。間違いなくわたしの2018年読んでよかった本ベスト3に入る。

    カイ、ランス、スー、シンシア、はんぺん、鞠子、エド、ハイド、美柴、グレン、リヴァー、ヴォルフ、狼、白昼夢、パトリシア、フィン、タガート兄弟、ロス……。

    この人たちに出会えて本当によかった。

    ランスがもうあっちの世界に留まろうと思わなくなったことがとても嬉しかった。彼は居場所を見つけた。
    そして、スー。彼女は最後までかわいかった。なにあの「パットリシア!」って。あまい。あますぎる。シンシアの決断の後だったので思わず脱力。

    ふう。好きな作家さんがまたひとり増えた。深沢仁さん、この物語を生み出してくれてありがとうございます。またいつの日か、どこかで彼らに再会できますように。

    というわけで、アニメ化熱烈希望!!! 2クールくらいで原作に忠実に。絶対絶対、面白いと思うの。ランスやカイ、スー、シンシア、はんぺん、鞠子、エド、ハイド、美柴、タガート兄弟、パトリシア……とにかく動く英国幻視ファミリーを見たいよ!

  • 完結した〜
    ふわふわとした触り心地のまま、終わってしまった〜
    まあでも、好みであることに変わりはなし。
    儚さがクセになるお話でした。

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著者プロフィール

小説家

「2015年 『Dear(ディア)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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