天邪鬼な皇子と唐の黒猫 (TEENS’ENTERTAINMENT 18)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 131
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591164921

作品紹介・あらすじ

定省がしぶしぶ飼うことになったその猫は、
「四面楚歌」の夢を見るらしい。

ツンデレ皇子と中国から来た猫の
痛快平安ストーリー!


  *  *  *
天慶8年(884年)、唐の蘇州に人語を解する黒猫がいた。蘇州の猫の王で、目標は「一生ぐうたら生活をすること」。ある日、商人につかまって日本へはこばれ、光孝天皇の第七皇子・定省に飼われることになる。「猫なんて好きじゃない。父に言われたから仕方なく飼っているだけ」と口では言う定省と、なぜかたまに、自分が追い詰められている四面楚歌のシーンを夢に見る唐の黒猫の、奇妙な日々が始まる。

ぐうたらが目標の猫だが、渡航中に、海に放り出された自分を助けた水夫が死んだ。それで「だれか一人くらい助けてから天寿を全うしよう」と決める。やがて即位し、天皇になった定省に危機が訪れ……


<定省=宇多天皇は、日本最古の猫ブロガー!>
宇多天皇(867-931は、父光孝天皇が一度は臣籍降下させて一般人となったが、光孝天皇の死後、皇族に復帰させられて即位した歴史上の実在人物。宇多天皇の日記『寛平御記』には、父からもらいうけて飼った黒猫を絶賛する文章が延々とつづられているのですが、「先帝にもらったから仕方なく飼っているだけ」と言いわけしてあり、「ツンデレ天皇の猫日記」として有名です。本書は、唐から渡ってきた黒猫の視点で、宇多天皇と自分のことを描いています。猫視点のユニークさと、人間味のある登場人物たちの物語をお楽しみください。


<目次>
一 唐の黒猫
二 ネズミと鷹
三 黒猫の名
四 空き地の猫たち
五 キトラ
六 もうひとりの嫁
七 ハクタク
八 臣籍降下
九 元服式
十 崩御
十一 阿衡事件
十二 讃岐へ

感想・レビュー・書評

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  • ねこ好きのあいだではわりと有名な元祖ねこBloggerこと宇多天皇の日記に出てくる黒猫が主人公で語り手。
    ティーン向けのお話なので文章も読みやすい。
    ねこ社会も大変だなぁ。

  • のんびりほのぼのと話が進んで行くけど、皇子とその周辺はのんびりしていられない。子供には読みやすくて、人の世の流れが気になるところみたいです。

  • 蘇州で生まれ覇王とまで呼ばれた黒猫は人に捕まり倭国へ渡ることに。天皇に献上され、その息子定省(さだみ)の元でぐうたら寝て過ごそうとするが縄張り争いや定省の問題に巻き込まれて・・・。人間であった前世の記憶がある黒猫がやる気がないながらも奮闘する平安物語。

  • 猫視点で権力闘争を描いているところが「ミソ」。本来なら「ドロドロ」した物語になるところが、猫視点で書かれているので「のんびり」とした「ほんわか」ムードのお話に仕上がっている。このギャップがとても心地よい。定省ではないが「猫なんか好きじゃない」と思いながら、ついつい笑みを浮かべながら読んでいる自分に気が付く。願わくば定省が天皇になってからをもっともっと描いてほしかった。あっさりと終ってしまって残念。もう少しこの世界に浸っていたかった。

    #天邪鬼な皇子と唐の黒猫 #NetGalleyJP

  • 定省(さだみ) 宇多天皇のこと。時代背景に沿った物語。猫のことも良く描かれてる。猫語(人語)が話せる設定で吾輩は猫であると同じような感じね。平安時代の物語は面白いね。

  • 唐からやってきた人語を介する黒猫と、猫なんて全然すきじゃないんだからね!と言い張る光孝天皇の第七皇子・定省の平安エンタメ。

    定省は実在の人物で後の宇多天皇。私はこの本で、猫のことを褒め散らかしておりながら「親からもらって仕方なく飼っている」というツンデレ日記を遺した人物だと知りました。
    藤原基経や菅原道真など、実在の人物が出てくるし、寝殿造なども出てくるので、国語だけでなく歴史好きも楽しく読めると思います。

    宮中のドロドロとした人間関係と、猫社会の闘争も絡み合い、特に主人公を取り巻く状況は厄介です。人間社会アの方では大人の駆け引き、という所もあるのですが、重たい話かというとそうは感じさせません。テンポの良さと、猫から見た人間社会という、「枠」の外からの視点が入るからでしょうか。

  • 表紙の絵が好きだったので借りて読んでみた。若き日の宇多天皇とその飼い猫から見た朝廷の権力闘争の話。お后様二人がとても可愛くて好き。朝廷の権力闘争より、ネコ達の話が面白かった。

  •  宇多天皇、阿衡の紛議。
     人の言葉を理解する猫…その設定つい最近見たかも。人の言葉が分かるのは、前世が人だったからということになっていた。

  • NHKラジオの青春アドベンチャーで「文学少年と運命の書」がラジオドラマで流れてずいぶん面白かった。同じ作者の作品ということで読んでみた。
    平安時代を舞台にした唐から渡ってきた人の言葉が分かる猫の物語。
    なんだか吾輩は猫であるの時代設定を変え、少し事件仕立てにしたような語り口。
    それなりに面白かったし、クライマックスの主人公の黒猫のやり取りは思わず笑ってしまった。
    だけれどなんだか読み進まなかったんだよなぁ。

  • 黒猫さまが語る王朝権力物語。

    ネコ様三国志オンリー話を聞きたい。

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