アリババの猫がきいている

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 109
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591165829

作品紹介・あらすじ

東京で一人でくらすイラン出身の言語学者アリババが飼い始めたペルシャ猫の子猫シャイフは、イランのバザールで福を招くと言われる長老族の猫で、人の言葉を解する猫だった。
あるとき、アリババは海外出張のため、友人で民芸品店を営む男性、石塚さんにシャイフを1週間あずけることに……。そして、初めて石塚さんの部屋にとまった夜、シャイフは民芸品たちと話ができることに気づく。
アフガニスタンで遊牧民の花嫁を乗せるラクダを飾るひも(ひも姉さん)、アフガニスタンの古都ヘラートで作られている吹きガラス(青いグラスくん)、イランのハチ飼いが使っていたミツバチの巣箱のふた(タイルばあさん)、ペルーのアマゾンの学校の先生が作った動物の人形たち(アマゾンのやんちゃたち)――遠い国からやってきた民芸品たちは、毎晩、順番に驚くべき身の上話を語っていく。
そして店にはイラン出身の少女ナグメや、日系ペルー人の少年タケルがやってきて……。

民芸品たちの波乱万丈の物語をきいた子猫シャイフが、彼らにつながる遠い国の人々を思い、民芸品たちに託された願いをかなえようとする姿が胸を打つ、異色のファンタジー!

感想・レビュー・書評

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  • 主人公は人間ではなく亡命イラン人アリババの飼うペルシャ猫シャイフ。飼主の海外出張中民芸品店へ預けられ、毎晩異国の民芸品の身上話を聞く事になる。ファンタジーを通してイランやアフガニスタンの情勢に気付かされる。

  • 異国の空気を吸える物語『アリババの猫がきいている』 - 赤羽じゅんこの三日坊主日記
    https://blog.goo.ne.jp/jakahane/e/d87a996c7197fcb2be8b70c07f3c9a3d

    ふるさと大使/新藤悦子/豊橋市
    https://www.city.toyohashi.lg.jp/5481.htm

    アリババの猫がきいている|単行本|本を探す|ポプラ社
    https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/4900251.html

  • 東京で暮らすイランの言語学者アリババさんは、ふとした縁で生後4ヶ月のペルシャ猫シャリフを飼うことになりました。実はその猫はイランのバザールで「長老族」と呼ばれている猫の末裔で、人間の言葉を理解することができました。また、アリババさんは子どもの頃猫の言葉を理解していたことを思い出し、シャリフと話すことできるようになりました。さて、アリババさんが海外出張で留守にする間、シャリフは知り合いの民芸雑貨の店に預けられました。そこでシャリフは、人だけでなくモノの話も理解できることがわかり、店のモノたちが語る物語を聞くようになりました。それこそ「バザールの猫」の力だったのです。

  • 民芸品店ひらけごま

    シャイフ〜ねこ〜人と話せるねこ
    アリババ〜イラン人の言語学者
    石塚さん〜ひらけごまの店主

    アリババに拾われたシャリフはひらけごまの猫になる

    民芸品と話せるシャリフ

  • 人やモノの言葉がわかるペルシャ猫・シャイフが、遠い国からやってきた民芸品の身の上話を聞き、願いを叶えてあげようとする物語。人の思いが込められたモノは心を持つのかもしれない。もしかしたら家にある食器や家具、本も何かを願ってる…?!思わずモノや猫に話しかけたくなる心温まるストーリーでした。シリーズ化したら絶対読みたい作品です‼︎

  • シリーズ化して続きそうな終わり方。人や物のいうことがわかる猫。物はおさまるところへおさまる。

  • 難民問題や言語・見た目の違いなどを盛り込みながらも、視線が優しいので穏やかに読める。ストーリーはもちろん面白いんだけど、異文化や他国の事情に興味を持つきっかけになる本だと思った。ゆっくり誰かの何かの物語に思いを馳せること、忘れないで生きていきたい。

  •  ペルシャ猫のシャイフ。イラン出身のアリババの飼い猫。アリババの出張中、民芸品店<ひらけごま>にあずけられる。

  • 現代ニッポンが舞台ですが、アラビアンナイトのよう。
    民芸品店のモノ達が、猫のシャイフに語る物語。その中から、難民の少女の想いなど、今の時代が垣間見える児童書ですね。

  • 東京で一人でくらすイラン出身の言語学者アリババが飼い始めたペルシャ猫の子猫シャイフは、イランのバザールで福を招くと言われる長老族の猫で、人の言葉を解する猫だった。
    あるとき、アリババは海外出張のため、友人で民芸品店を営む男性、石塚さんにシャイフを1週間あずけることに……。そして、初めて石塚さんの部屋にとまった夜、シャイフは民芸品たちと話ができることに気づく。
    アフガニスタンで遊牧民の花嫁を乗せるラクダを飾るひも(ひも姉さん)、アフガニスタンの古都ヘラートで作られている吹きガラス(青いグラスくん)、イランのハチ飼いが使っていたミツバチの巣箱のふた(タイルばあさん)、ペルーのアマゾンの学校の先生が作った動物の人形たち(アマゾンのやんちゃたち)――遠い国からやってきた民芸品たちは、毎晩、順番に驚くべき身の上話を語っていく。
    そして店にはイラン出身の少女ナグメや、日系ペルー人の少年タケルがやってきて……。

    民芸品たちの波乱万丈の物語をきいた子猫シャイフが、彼らにつながる遠い国の人々を思い、民芸品たちに託された願いをかなえようとする姿が胸を打つ、異色のファンタジー!

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著者プロフィール

新藤悦子 1961年愛知県豊橋市生まれ。津田塾大学国際関係学科卒業。トルコなど中近東に関する著作に、『羊飼いの口笛が聴こえる』(朝日新聞社)『チャドルの下から見たホメイニの国』(新潮社)『トルコ風の旅』(東京書籍)などがある。児童書作家としても活躍、『いのちの木のあるところ』『さばくのジン』(「こどものとも」2017年3月号/以上福音館書店)『青いチューリップ』(日本児童文学者協会新人賞受賞/講談社)『アリババの猫がきいている』(ポプラ社)など多数。「たくさんのふしぎ」ではほかに、『ギョレメ村でじゅうたんを織る』(1993年9月号)がある。

「2023年 『トルコのゼーラおばあさん、メッカへ行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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