続 学校に行きたくない君へ

制作 : 全国不登校新聞社 
  • ポプラ社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591167281

作品紹介・あらすじ

いろいろな人生があっていい。遠回りしたからこそ、得られるものがある。中川翔子、ヨシタケシンスケ、りゅうちぇる、立川志の輔、谷川俊太郎、庵野秀明、糸井重里、坂上忍ほか全17名の人生の先輩たちに不登校の若者たちが体当たりで引き出した「生きるヒント」。マンガ「学校に行きたくないわたしの気持ち」も収録。ベストセラー『学校に行きたくない君へ』の姉妹編です。

〇 目次

中川翔子 ちょっとの「好き」を集めて、積み重ねていく
ヨシタケシンスケ 遠回りしたからこそ、見えることがたくさんある
りゅうちぇる 自分の「色」を塗り替えてもいい 
立川志の輔 他人とちがうのは、いいこと
春名風花 いまあなたがいるそこがすべてじゃない
あずまきよひこ 無理にでも頭を突っ込んでみると、たいがいはおもしろい 
R-指定 コンプレックスをさらけ出した方が、楽しかった
谷川俊太郎 ミスフィットを活かす道はある
庵野秀明 「ここ」じゃなければ、他のところに行こう
宇多丸 自信は他人からもらおう
田房永子 自分の「心」を大切にする
大槻ケンヂ 「のほほん」と生きていきたい 
みうらじゅん 好きなことをいっぱいやろう
糸井重里 できることをひとつずつ続けていく
坂上忍 3割の共感があればいい
椎名誠 方向が決まっている人生なんて、つまらない
荻上チキ 人の役に立つことを生きる力にする
対談 北斗晶×石井志昂 人になんと言われようと、やりたいことをやってみる

感想・レビュー・書評

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  • 「続」も、前編に劣らず非常によかった。前編と同じ編集方針となっており、全国不登校新聞社に在籍する、不登校・ひきこもりの当事者・経験者である子ども若者編集部員が、「私が話を聞きたい人に話を聞きにいく」という方針で取材を行うことにより作られている。「世のため」「人のため」ではなく、「私」が話を聞きたいというのが大原則となっている。

    そのインタビュアーに答えた17名の著名人がこちら。
    目次には、対談者のキーとなる一言が次のように紹介されている。確かにこれらのセンテンスがキーとなるものであるが、それ以外にも一人の読者として感動した言葉や生き方があった。

    ■中川翔子:ちょっとの「好き」を集めて、積み重ねていく

    ■ヨシタケシンスケ:遠回りしたからこそ、見えることがたくさんある

    ■りゅうちぇる:自分の「色」を塗り替えてもいい 

    ■立川志の輔:他人とちがうのは、いいこと

    ■春名風花:いまあなたがいるそこがすべてじゃない

    ■あずまきよひこ:無理にでも頭を突っ込んでみると、たいがいはおもしろい
     
    ■R-指定:コンプレックスをさらけ出した方が、楽しかった

    ■谷川俊太郎:ミスフィットを活かす道はある

    ■庵野秀明:「ここ」じゃなければ、他のところに行こう

    ■宇多丸:自信は他人からもらおう

    ■田房永子:自分の「心」を大切にする

    ■大槻ケンヂ:「のほほん」と生きていきたい 

    ■みうらじゅん:好きなことをいっぱいやろう

    ■糸井重里:できることをひとつずつ続けていく

    ■坂上忍:3割の共感があればいい

    ■椎名誠:方向が決まっている人生なんて、つまらない

    ■荻上チキ:人の役に立つことを生きる力にする

    ■対談:北斗晶×石井志昂(本書編集長) 人になんと言われようと、やりたいことをやってみる

    この17人の対談者もまた、自分自身の生きづらさを乗り越えた今がある人たちであったり、生きづらさということを心で理解できる人たちであったりする。ある意味、自分なりの人生哲学をもっている凄い人たちである。

    年齢は若くとも、何も考えずに自分の不安を子供に押し付けて生きている大人や、意味なくマイノリティであることを特別視するような人たちよりも、ずっとずっと物事を考える力があり、人生を闘っているのであり、生き方の哲学を確立しているように思える。

    以下、自分なりに目に留まった対談者の一言など。

    ■中川翔子:「いちばんひどい日」を乗り越えると「そうでもない日」が来る。「そうでもない日」が続いた先に、思いがけない「死ななくてよかった」と思える日が来るはず。

    ■ヨシタケシンスケ:自分の意見を持たずに大学までいった。それに対し、「学校に行かない(不登校)」を自分で決めるということは凄いこと。

    ■りゅうちぇる:意見の違う人にあったら、その人の背景を考えるようにしている。

    ■立川志の輔:人生いろいろなことが起こる。学校に行かないということが、なぜそんなに大きなことなのか。大騒ぎしているのは大人。

    ■春名風花:いじめの加害者にフォーカスする。送信機をどうにかするしかない。ただし、「加害者が悪い」と単純化してしまうのは嫌。

    ■あずまきよひこ:何もできないと思われているうちに、失敗しておいたほうがいい。
     
    ■R-指定:学校の外の世界の人たちと出会えて、「俺はすごく狭い世界にいたんやな」と思った。

    ■谷川俊太郎:自分が詩を書いて生活するなんて考えなかったし、詩人になりたいとも思っていなかった。「なぜ詩を選んだのか?」-私が詩を選んだのではない、詩が私を選んだのだ。

    ■庵野秀明:(学校の)勉強は、受験のためのもの。テクニック学んでいるだけ。そのテクニックを身に着けることが社会に出たときに役立つというのは方便だ。

    ■宇多丸:最初の一歩は、わかならいけどやっちゃってた。最初の一歩に「理不尽なジャンプ」がある。

    ■田房永子:親は子どもにとって権力者で支配者で独裁者でハラスメントの加害者。子どもに過干渉にならないようにするためには自分の人生を楽しむこと。

    ■大槻ケンヂ:世の中で善と呼ばれているものが悪であったり、悪と呼ばれているものが善であったり、価値観というものは時代、民族、国家によって変わるものであって、ゼッタイの基準はない、

    ■みうらじゅん:不安は今でもあるが、なんとかなっている。常識が分かった上でやる非常識が、エンターテインメント。

    ■糸井重里:自分たちが何ができるかって言ったら、残念ながら、今のところ、努力することだったり勉強することだったりする。

    ■坂上忍:何かを成し遂げようとするとき必ず孤独になる。

    ■椎名誠:不登校しているのは、自分に忠実な素直な人

    ■荻上チキ:「逃げてもいい」というが、不整備な状況では、不登校は自己責任化されてしまう。学校には、セーフティネットが必要なのに、厳しいルールを押し付けている、

  • 全国不登校新聞の記者たち(元不登校経験者)達が、著名人にインタビューする。

    インタビューする側もされる側も真剣に受け答えしているのがわかる。
    また説教的ではなく、いろいろな考え方を尊重している記事なのが良いところ。

    気になったフレーズ

    ・ヨシタケシンスケ
    一番きつかった時期に考えていたのは、「現実の世界と空想の世界を完全に分けてしまえば、自分は楽になるはずだ」ということ。その思いを達成するために自分の頭の中だけの世界を創造しようとしたんです。だから僕はヒマさえあれば、手の平をじーっと見つめていたんです。何をしていたかというと、手の上に「自分しか見えない小人」が見えるようになるための訓練なんです。(笑)
    ・・・
    「こいつだけは僕のことをなんでもわかってくれる。だからつらくてもがんばろう」と思っていました。手の平を見ながら「もっと小人がはっきり見えるようになったら、自分は社会人としてやっていける」って思ってましたからね。

    ・R-指定
    自分にコンプレックスがあったり、劣等感があったりする人こそ、なにかを表現するのに適している、と。多くのアーティストと出会いますが、みんなコンプレックスを持っています。俺も満たされていないからこそ、それを埋めるために表現をするという方法で今も自分を保っているんです。
    ・・・
    俺がその1年間、自分と向き合って、最終的に見つけた答えは「カッコつけてもあかんな」ということです。それまでの自分はカッコつけて、クールにラップを見せようとしていました。本当はラップに情熱があるのに、ないふりしていたんです。

    ・谷川俊太郎
    詩は、小説なんかとちがって、時間軸をばっさり切っちゃって、いまこの瞬間というものを提出するわけです。悩んでいるとき、人間は、その時間をばっさり切られてちがう断面から見ると、意外になぐさめられたり、視点をコロっと変えたりすることができる。普段人間は地面にくっついて生きているんだけど、詩というのは高いところから俯瞰できるようなところがるように思います。
    ・・・
    僕は、繰り返しっていうのは、人間の実存の基本だと思ってます。人間は、どんな偉い人でも、どんなスターでも、基本的には、毎日の日常生活の繰り返しを生きている。それが人間の生きていく基本的なありかたですよね。
    それを壊そうとして、みんな冒険だとか恋愛だとかで、一生懸命ドラマチックにもりあげようとしてがんばるんだけど、それも限界があって、基本的には毎日、平凡な日常を繰り返すことをちゃんと受け入れないと
    人間はダメなんじゃないかと思う。

    ・庵野秀明
    作家の村上龍さんは「表現とは自分の中の穴を埋める作業だ」と言っていますが、あれは確かにぴったりの言葉だと思います。自分の中に穴が空いていて、ものを作っていないと、その穴が埋まらないんですよ。

    ・荻上チキ
    大人の社会より子供の社会のほうが、自由度が著しく低いんです。本来は子どもの方が大人よりも脆弱なので、より安全な空間として学校を設計する必要があるはずです。
    たとえばその空間から離脱しやすくするとか、いろんなセーフティーネットを学校のなかに作っていく必要があります。しかし実際は、むしろより厳しいルールを子供たちに押し付けるようなことが前例になっている。

  • 【選書No】085

  • 不登校の子、親御さんに勧めたい素晴らしい本だと思う。
    荻上チキさんの、「学校に行かなくても良い、だけでは不十分」という話はすごく納得。日本の教育のシステムを変えるべく、本気で取り組まないと未来はないと思う。
    北斗晶さんは凄い人だなぁと感動した。

  • ☆「死ぬんじゃねーぞ!」中川翔子
    ☆一つの言葉には、決して一つではないたくさんの意味があるし、その意味を自分で作り出すこともできる、過去に何があったかではなく、今の状態とどう向き合うか、せっかく自由に使える一日があるんだからこの時間を何にいかそうか ヨシタケシンスケ
    ☆こんな自分になりたいという理想像 りゅうちぇる
    ☆あなたのために、はあなたのせい、になる、いろんな人に生きていて欲しい、いつか僕と出会うかもしれないから 春名風花
    ☆何もできないと思われているうちに失敗しておく、若いうちはなんでも首を突っ込んでおく あずまきよひこ
    ☆繰り返しはは人間の実存の基本、毎日平凡な日常を繰り返す事を受け入れる 谷川俊太郎
    ☆表現とは自分の中の穴を埋める作業、逃げるというよりは戦略的撤退、逃亡よりは転進 庵野秀明
    ☆親が根拠のない自信をつけてやる 宇多丸
    ☆第三の場所を作る 荻上チキ
    ☆何か面白いことあった? 北斗晶

  • 素晴らしい内容だった。
    我が子が不登校のため、なんらかの糸口がないかと読んでみたが、不登校反対論はまるでなく、容認が当たり前の考えに変わった、が、勉強は間違いなく必要という考えは変わらない。
    息子を信じて待とう!

  • 不登校新聞からのいくつかの記事の抜粋である。これをもとに不登校新聞を気軽に手に取れるようにすることがいいのかもしれない。不登校になってから、不登校になる前に、大人になり不登校でなくなってから、いつでもどこでも読める新聞になってくれるといいと思う。

  • 遠回りしたからこそ、得られるものがある-。不登校の若者たちが体当たりで取材した、谷川俊太郎をはじめとする人生の大先輩たち17名のインタビュー集第2弾。『不登校新聞』掲載記事を加筆修正し、マンガ等を加える。

    取材相手がピンとこない人が多かった。

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